研究課題/領域番号 |
21K20761
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
平野 港 長崎大学, 高度感染症研究センター, 助教 (30901029)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ナイロウイルス / ミニゲノム / RNA修飾 / トランスクリプトーム / アルボウイルス / ウイルス複製 |
研究開始時の研究の概要 |
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスは致死的な感染症を引き起こし、治療法開発のため感染機構の基盤情報が必要とされている。本研究では同ウイルスの核タンパク質はRNA修飾を介し、ウイルス複製促進/宿主免疫制御を行う機構を持つのではないかという仮説のもと、そのメカニズムおよびウイルス複製および宿主免疫における役割を検証する。以上によりウイルスによるRNA修飾を介したRNA動態制御機構、並びに感染における役割を示す。RNA修飾の研究は近年急速に進展しているが、感染/免疫における役割は未知の点が多い。本研究により修飾の生物学的役割に新たな視点を提供できることが期待される。
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研究成果の概要 |
ブニヤウイルス目は数多くの致死的な人獣共通感染症原因ウイルスが属す。代表例の1つであるクリミア・コンゴ出血熱ウイルス (CCHFV) は出血熱を引き起こし、アフリカからユーラシアにかけ広く分布しており、本邦への侵入も危惧される。その感染機構は不明な点が多く、治療法開発のための基盤情報が必要である。本研究では、CCHFVを中心とするナイロウイルスの複製評価系であるミニゲノム系を作出し、抗ウイルス薬候補の解析およびRNA修飾に着目した性状解析を行った。本研究で得られた化合物のさらなる改変およびRNAメチル化を標的とした抗ウイルス薬の研究はCCHFVの治療法開発への基盤となりうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究にて樹立されたCCHFVミニゲノム等の代替実験系はクローニングおよび安定発現系の構築が困難であり、バイオセキュリティの観点から譲渡が難しいため世界的に見てもごく少数のグループしか保持していない。BSL-4施設での感染性ウイルスを用いた解析の前段階として非常に有力なツールと成りうる。事実、本系を用い、新規の抗ウイルス薬候補が探索された。また、本研究ではCCHFVの感染を補助する因子としてRNA修飾が機能していることが示された。ウイルス感染における本経路の役割は未知であり、さらなる解析により、将来的な抗ウイルス開発の標的を探索する上での基盤情報となることが期待される。
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