研究課題/領域番号 |
21K20764
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
池上 一平 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80837021)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Tfh細胞 / Bob1 / メモリーTfh細胞 / 免疫記憶 / 液性免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
自己免疫疾患やアレルギー疾患などの免疫難病の病態背景として抗原特異的抗体の産生異常があり、病態解明に向けた研究が多角的に行われている。我々はこれまでにBob1転写共役因子が、CD4陽性T細胞のうち抗原特異的抗体の産生機能を司る濾胞ヘルパーT(TFH)細胞に高発現していることを同定し、Bob1の機能的意義に着目している。本研究ではCD4陽性T細胞特異的Bob1欠損マウスを新たに作出し、TFH細胞におけるBob1の抗体産生機能と免疫記憶機能を解明することを目的とする。本研究の成果を基に、TFH細胞が病態を形成する自己免疫疾患とBob1との関係を明らかにし、今後の臨床応用へ発展させたい。
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研究成果の概要 |
自己免疫疾患やアレルギー疾患などの免疫難病の背景として抗原特異的抗体の産生異常があり、これらの理解を深めるべく本研究では濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞に着目した。Tfh細胞は二次リンパ組織胚中心内でB細胞機能を調節し、抗原特異的抗体産生に寄与する。このTfh細胞に高発現するBob1転写共役因子の機能について検討したところ、Tfh細胞の数的制御や免疫チェックポイント分子の発現を制御し、液性免疫応答を調節している事実が明らかとなった。さらにBob1は免疫記憶型(メモリー)Tfh細胞の発生に関与しており、メモリーTfh細胞の制御機構に必要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトおよびマウスTfh細胞にBob1が高発現する事実はこれまで報告があったが、本研究にてBob1によるTfh細胞の機能制御機構の詳細が初めて明らかになった。特に、Bob1がメモリーTfh細胞の数的制御を調節することから、自己免疫疾患やアレルギー疾患など、これまでメモリーTfh細胞との関係が報告されていた疾患について、Tfh細胞におけるBob1の多寡が診断マーカーや治療標的分子となり得る可能性を示した。
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