研究課題/領域番号 |
21K20770
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加藤 浩貴 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50801677)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Bリンパ球造血 / エピゲノム / メチオニン代謝 / Sアデノシルメチオニン / B細胞造血 / 造血 / SAM / MAT2A |
研究開始時の研究の概要 |
S-アデノシルメチオニン (SAM) はDNAやヒストンのメチル化に必要なメチル基の主要な供与体であり、エピゲノム修飾に直接関わる。申請者らはこれまでに、SAM合成の阻害が液性免疫を担うBリンパ球の活性化を抑制し、自己免疫病態を改善しうることを発見している。しかし、Bリンパ球の分化や活性化でSAMがどのように機能しているのかについてはいまだに不明な点が多い。そこで本研究では、SAMによるBリンパ球の分化・活性化機序を細胞特異的なSAM合成酵素欠損マウスを用いた解析などで明らかにし、免疫異常の関連するさまざまな疾患の克服に繋げる。
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研究成果の概要 |
Bリンパ球異常は自己免疫疾患などの発症に関わる。その正常造血に必要な遺伝子発現調節にはエピゲノム修飾が関わる。S-アデノシルメチオニン (SAM) は、代表的なエピゲノム修飾の一つメチル化修飾に必要なメチル基の主な供与体であり、Bリンパ球分化に関わりうる。しかし、Bリンパ球造血にSAMがどう関わるか詳細は未解明である。本研究では、独自のマウスモデルを駆使してBリンパ球でのSAMの重要性の解明を行った。その結果SAM合成がBリンパ球初期分化に必要なことが明らかとなった。今後本機序をさらに究明することで、これまで未解明であったSAM代謝によるBリンパ球分化制御機構が解明されることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Bリンパ球の異常は自己免疫疾患や白血病など治療の難しいさまざまな疾患の発症に関わる。これまでこれらの疾患の克服に向けて、遺伝要因の解明が精力的に行われてきたものの、これらの疾患は依然として難治性である。環境要因がBリンパ球造血にもたらす影響の解明が急務である。我々は、環境要因の一つとしての栄養(メチオニン)の代謝がBリンパ球造血に重要である可能性について研究を積み重ねている。今回、メチオニンからのSアデノシルメチオニンの合成が生体内Bリンパ球造血に必要であることをはじめて明らかにできた。本機序のさらなる解明が、上記疾患の克服につながることが期待される。
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