研究課題/領域番号 |
21K20778
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
菊池 健太 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別研究員(PD) (60907939)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クロマチン高次構造 / マクロファージ / 分化 / 機能 / 胎生マクロファージ / 骨髄造血幹細胞由来マクロファージ / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
組織常在性マクロファージは、胎生期前駆細胞由来および造血幹細胞由来の2種類の起源の異なる細胞によって構成される。これら分化経路の異なるマクロファージには機能的差異が存在することが明らかになってきているが、その違いを生み出す分子メカニズムには不明な点が多い。最近我々は、系譜特異的転写因子が骨髄前駆細胞においてクロマチン高次構造変化を誘導することで、血球細胞の系譜決定に関与することを見出した。そこで本研究では、マクロファージ前駆細胞におけるクロマチン高次構造変化に着目し、起源の異なるマクロファージ亜集団の機能の違いを生み出す分子メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
マクロファージを含む単核貪食細胞は機能的に極めて多様な集団である。しかし、そのような違いが如何なる分子機構により制御されているのか解明されていない。本研究で我々は、単核貪食細胞の分化過程におけるクロマチン高次構造変化について解析した。その結果、単核貪食細胞の分化過程において系譜特異的遺伝子領域に核内コンパートメントやトポロジカル関連ドメインを含むクロマチン高次構造が形成されることを見出した。さらにこれらの一部は系譜特異的転写因子により制御されることがわかった。今後は形成されたクロマチン高次構造が遺伝子発現制御にどう関わるのかについて解析を進める。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マクロファージを含む単核貪食細胞は全身に分布し、極めて多様な役割があり、疾患発症にも関与する。単核貪食細胞の性質に発生経路の違いが与える影響については未だ結論がでておらず、この分野における重要な問題点である。本研究では、系譜特異的遺伝子領域におけるクロマチン高次構造の事前形成が単核貪食細胞の機能発現に重要であることを示した。この知見は、細胞のクロマチン高次構造を解析し、構造形成に関与する転写因子やクロマチン制御因子を同定することが、機能を制御する根幹のメカニズム解明につながることを示唆する。単核貪食細胞の形質決定に重要な分子を同定できれば、疾患の新規治療法の開発に貢献できる可能性がある。
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