研究課題/領域番号 |
21K20790
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 亨悦 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30912711)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵癌 / 癌微小環境 / 腫瘍免疫 / 癌免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は腫瘍免疫の抑制された環境を形成し、癌免疫療法が有用ではない。現在、抑制された腫瘍免疫環境を如何にして解除し、癌免疫療法を有効にするかに多くの研究者が着目している。今回、Interferon alpha (IFNA)シグナル遮断がSignal transducer and activator of transcription 3 (STAT3) を不活化することに着目した。STAT3は腫瘍免疫を抑制することが知られており、IFNA-STAT3 axisの抑制は、腫瘍免疫を賦活化し、癌免疫治療の効果を高めることが期待される。本研究ではIFNA の阻害が癌免疫療法の効果を高めるかを検証する。
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研究成果の概要 |
膵癌は腫瘍免疫が抑制された腫瘍の一つであり、免疫治療の効果が乏しいことが示されている。IFNA-STAT3 axisの制御が腫瘍免疫を活性化させ、免疫治療の効果を増大させるかどうかをマウス実験で検証した。IFNA-STAT3 を制御するために、IFNAの受容体である、IFNAR1の遮断した。IFNAR1の遮断は、免疫治療の効果を増大させ、マウスの腫瘍増殖を抑制した。次にIFNA-STAT3を制御するために、anti-IFNAR1 antibodyを用いて、マウス実験を行い、anti-IFNAR1 antibodyはICB の効果を高め、腫瘍増殖を抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本実験で、免疫治療の効果が乏しい膵癌において、新たな治療の発見につながる結果が得られた。IFNAシグナル遮断が腫瘍免疫を活性化させるという概念は新しく、膵癌のみでなく、他の癌腫にも応用できる可能性がある。IFNA-STAT3の遮断はがん細胞の腫瘍増殖を抑制させる上、さらにICBの効果が上乗せできるので、治療効果が極めて高いと考えられる。今回、IFNgが腫瘍組織内で上昇していることが判明し、IFNgを介した、腫瘍免疫の賦活化が想定される。今後、メカニズムの解明を続け、臨床試験に繋げていきたいと考えている。
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