研究課題/領域番号 |
21K20799
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
田中 晴祥 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (80793504)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵癌 / FUT2 / FUT3 / CA19-9 / DUPAN-2 / 遺伝子型 / 予後予測モデル / 術前治療 / ジェノタイプ / 糖鎖抗原マーカー / 術前化学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
当教室のSunagawaらの先行研究では、手術を企図して術前に化学療法を受ける患者において、術直前のCA19-9が正常値かどうかは生命予後を十分に予測しえないという結論に至った。しかしこれはFUT2/3のジェノタイプを考慮していないことが理由である可能性がある。代表者は、CA19-9はジェノタイプを考慮することによってはじめて十分な予後予測ができる、またこれをDUPAN2と組み合わせることにより、さらに優れた予後予測能を示し、これが化学療法を受けるすべての膵癌患者の手術適応指標になる、という仮説を立て、これを証明すべく本研究を鋭意遂行する。
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研究成果の概要 |
CA19-9およびDUPAN-2の発現量は、FUT2/3の機能に依存するため、正常化判定法の開発が急務となっている。2012年から2022年の間に術前治療後に外科的切除を行った膵癌症例345例のゲノムDNAを対象にTaqMan PCRを施行し、341例のFUT2/3の遺伝子型の決定に成功し、これを基に腫瘍マーカー遺伝子型モデル(TMGモデル)を構築した。従来の単一カットオフモデルでのマーカー高値のハザード比は1.61(P = 0.12)であったのに対して、TMGモデルの予後層別能はTMG高値のハザード比は 4.47(P<0.01)と格段に改善した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は進行した状態で診断され、難治がんの一つである。進行膵癌ではその大半で術前治療の有効性が示され、術前治療中の手術適応の適切な判断をすることの重要性が増している。腫瘍マーカーの正常化をはじめとした生物学的マーカーが良い指標となる可能性が指摘されている。現在、膵癌で汎用されているCA19-9およびDUPAN-2の発現量は、FUT2およびFUT3の機能に依存することが分かっており、より正確な腫瘍マーカー正常化判定法の開発が膵癌患者の予後延長のため急務となっている。TMGモデルの予後層別能は非常に高いことが判明し、今後の集学的治療と膵癌患者予後延長に貢献した。本研究は欧文学術誌に投稿中である。
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