研究課題/領域番号 |
21K20808
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
森 汐莉 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00907032)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 抗がん剤耐性 / ミトコンドリア / ρ0形質 / 幹細胞性 / ROS / 悪液質 / 薬剤耐性 / ミトコンドリアDNA / 抗癌剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療における抗がん剤耐性は疾患予後を左右する重要な因子であり。これまでの研究においてもその全容は明らかになっておらず、治療上の問題となっている。これに対し、申請者はミトコンドリアDNA部分欠損細胞(部分ρ0細胞)を樹立し、多剤耐性能を獲得したことを明らかにした。本研究では、ρ0細胞、部分ρ0細胞の代謝機能と幹細胞性の変化、および、ミトコンドリアDNA障害の詳細について解析を行い、ミトコンドリア障害に起因する抗がん剤抵抗性の機序を解明することにより、抗がん剤耐性の克服に寄与する。
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研究成果の概要 |
抗がん剤抵抗性はがん治療における重要な障壁のひとつで、ミトコンドリアの抗がん剤抵抗性への関与が注目される。本研究では、ミトコンドリアDNAに障害を有する癌細胞を樹立し、その性質を解析したところ、部分的な障害を有する部分ρ0細胞では増殖能、酸素消費量および幹細胞性低下やROS産生や抗がん剤耐性の増大とともに炎症促進作用が亢進しており悪液質を惹起した。がん細胞は持続的な抗がん剤処理に伴って部分ρ0形質を獲得したことから、抗がん剤耐性獲得の新たな機序として注目される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学療法によって誘導されるミトコンドリア障害が抗がん剤抵抗性を誘導することが明らかになった。抗がん剤によるミトコンドリアDNAの障害が抗がん剤耐性をもたらすことは、ほとんどの抗がん剤において一般的に生じ得る抗がん剤耐性獲得機序であり、がん治療において重要な知見と見なされる。今後この新たな耐性抑制の標的を抽出し治療戦略に結びつけることが出来れば、がん化学療法における大きな進展となり、癌患者の予後改善をもたらすと期待される。
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