研究課題/領域番号 |
21K20829
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
浅野 大輔 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (90910175)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経内分泌腫瘍 / 肝転移 / Eg5 / NELM / 神経内分泌癌 / 悪性神経内分泌腫瘍 / NET / NEC |
研究開始時の研究の概要 |
神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine Neoplasms: 以下NENs)は希少であるが、近年その罹患数は全世界的に増加傾向である。NENsは様々な臓器に 発生するが、WHO2017年分類でGrade分類によりNET-G1, G2, G3, NEC(Neuroendocrine carcinoma)に分類されることからわかるようにheterogeneousな疾患であり、その予後は症例によって大きく異なる。本研究では当施設に おける20年間のNENs患者の臨床データ解析および臨床検体を用いた分子生物学的解析に基 づき、患者に応じたオーダーメイド治療を創出する ことを目的とする。
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研究成果の概要 |
悪性神経内分泌腫瘍とされる①NETG3/NEC(:hg-NENs)②肝転移を有する神経内分泌腫瘍に関して手術適応を検討した。 ①hg-NENs患者63例を検討した。低Ki-67群ではR0/1切除が予後を改善すること、手術適応はKi-67指数に基づくのが望ましいことを示した。②肝転移を伴うNETG2/3患者60例を解析し、完全なる腫瘍切除が唯一予後を延長し、特に腫瘍個数が7個以下の症例が手術適応として望ましいことを示した。 さらにキネシンの仲間であるEg5に着目し、Eg5陽性群が有意に予後不良であること、Eg5が細胞周期に関わる蛋白であることを免疫染色と網羅的遺伝子解析により示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少疾患であり、治療方針を決定しづらい神経内分泌腫瘍において、国内最大数の症例数に基づく治療経験ならびに保存検体を用いて、手術適応となる患者群を検討した。特に、治療方針に難渋する悪性度の高い症例における手術適応を示したことは貴重なデータであると考える。 また予後と相関する可能性がしさされたEg5に関してはマウスの実験ではあるが、Eg5を阻害することによってゲムシタビン耐性膀胱癌に対して抗腫瘍効果を示すことが報告されている(L.Sun et al. PLoS One 2015)。今後神経内分泌腫瘍においても予後予測因子としてだけではなく、有用な治療ターゲットとして応用可能である可能性が考えられた。
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