研究課題/領域番号 |
21K20843
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
深澤 和也 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (70907443)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | グリオブラストーマ / がん幹細胞 / ERK5 / 難治性疾患 / Erk5 / 微小環境 / がん微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫(Glioblastoma=GBM)は、グリオーマの中で最も悪性度が高く、あらゆるがんにおいて最も予後不良の中枢神経系腫瘍であり、5 年生存率は10%以下である。有効な治療薬の欠如により、約半世紀もの間、集学的な治療を以ってしても著明な予後の改善が認められていない。GBM の根本的な治療法開発は社会的急務である。 本研究では「微小環境シグナル統合因子Erk5による、がん幹細胞制御機構」を解明することで、GBMの革新的治療法の開発基盤の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
近年、グリオブラストーマの発症・進展において、グリオーマ幹細胞の重要性が報告されている。本研究では、「微小環境シグナル統合因子ERK5」を通じた「がん幹細胞制御機構」の解明を目指した。本研究により、MEK5-ERK5-STAT3経路が、グリオーマ幹細胞の機能促進に関与していることが明らかになった。さらに、ERK5阻害剤により、グリオーマ幹細胞の機能が抑制されることが見出された。これらの結果から、MEK5-ERK5-STAT3経路はグリオブラストーマの新たな治療標的となり得ることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の遂行により、ERK5がグリオーマ幹細胞の機能制御メカニズムに深く関連することを見出した。さらに、ERK5阻害剤が、グリオーマ幹細胞の機能を抑制させる働きがあることを実証した。近年、グリオーマだけでなく白血病、乳がんや前立腺がんなどにおいても、その病態とがん幹細胞特性に緊密な関連性があることが報告されている。本研究成果による、「グリオーマ幹細胞の機能調節機構の解明」により、 グリオーマを含む難治性がんに対する新規治療標的が明確になるだけでなく、がん幹細胞が関与する様々ながんに対する根本的治療法開発への展開が期待される。
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