研究課題/領域番号 |
21K20844
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
近藤 啓 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60750594)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 胆道癌 / オートタキシン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、胆道癌における「癌進展」と「繰り返す胆管炎」という両方の問題点に対応できる全く新しい治療戦略として、リゾホスファチジン酸(LPA)受容体およびLPAの生合成を担うオートタキシン(ATX)によるシグナル伝達に注目した。胆道癌細胞株とマウスでの基礎実験に臨床検体を用いた検証を加え、胆道癌進展におけるLPA受容体シグナルの重要性とATXをターゲットとした制御の有用性を解明する。さらに胆汁中・血清中ATXの再発性胆管炎のバイオマーカーとしての意義も検証し、胆道癌治療の新たなターゲットとして臨床応用を目指す第一歩としたい。
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研究成果の概要 |
この研究を通じ、胆道癌におけるLPA受容体シグナルの新規治療ターゲットの可能性を解明することを目的とした。まず胆道癌進展におけるリゾホスファチジン酸(LPA)-LPA受容体シグナルの重要性を明らかとした。そのうえで、LPA産生酵素として知られるオートタキシン(ATX)の胆道癌における高発現を臨床検体・実験細胞株を用いて確認のうえ、ATX制御(形質導入・阻害剤)による癌抑制効果について証明した。本研究の派生として膵神経内分泌腫瘍細胞(pNEN)におけるATXの発現が明らかとなり、pNENにおけるATX発現制御の意義についての新たな研究立案にもつながった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、胆道癌における新規治療ターゲットとしてLPA受容体シグナルの可能性を解明することを目的とした。胆道癌進展におけるLPA-LPA受容体シグナルの重要性を明らかにし、ATXの制御による癌抑制効果を証明することで、胆道癌治療法の新規開発と患者の予後改善に大きな影響を与える可能性があると考えられた。ATX阻害剤は炎症性疾患を中心とする他の疾患ですでに臨床試験が組まれている薬剤が複数あるため、胆道癌治療薬へのDrug repositioningが可能である。本研究から派生したpNENへの効果も今後期待され、この治療戦略は胆膵領域に広く貢献することが期待される。
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