研究課題/領域番号 |
21K20849
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
小山 拓洋 東京歯科大学, 歯学部, 非常勤歯科医師 (50906386)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | FOXO1 / CAFs / Cancer microenvironment |
研究開始時の研究の概要 |
がん微小環境中に豊富に存在する線維芽細胞 (CAFs: carcinoma-associated fibroblasts)は、がん細胞や様々な間質細胞との相互作用を介して、血管新生、炎症、免疫抑制、がん浸潤・転移や治療抵抗性を促進することが知られているが、その分子メカニズムの理解は十分ではない。また、CAFsを標的にした薬剤のがん抑制効果がマウスで報告されているが、いずれの薬剤もCAFs特異性や副作用に関しては不明確であり臨床応用には至っていない 。本研究ではFOXO1抑制によりCAFsに特異的に誘導される細胞死の分子メカニズムを解明し、新規CAFs標的がん治療法の開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
AS1842856によるCAFsにおけるFOXO1の抑制は、CAFsの腫瘍促進能シグナルであるTGF-β, SDF-1 などのサイトカインの分泌を抑制することをin vitroで示すことができた。またATAC-seqやメタボローム解析によりFOXO1の抑制に関与する転写因子やシグナルの候補を絞ることができた。しかしながら、in vivo実験におけるがん細胞とCAFsの共移植実験では腫瘍内のFOXO1のみ抑制することは困難であり、腫瘍促進能を抑制することを示唆する結果を見出すことはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究ではFOXO1の機能が抑制されたCAFsにおいて、がん促進性サイトカインなどの産生能が低下することが示され、CAFsのがん促進能も失われていることがin vitroでは示されたが、in vivoにおけるがん細胞との共移植では腫瘍増殖を制御する結果とはならず、今後さらなる動物実験モデルの開発や他因子との関連、シグナルについての探索が急務である。FOXO1抑制に焦点を絞りCAFsに細胞死を誘導する新規CAF標的治療法を動物モデルで開発する点で、国内外の従来の研究と比較し新規性および独創性が高く、より効果的な治療薬の開発が期待される。
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