研究課題/領域番号 |
21K20856
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
笹森 瞳 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (20911126)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 衝動性 / ドパミン / 内側前頭前野 / 行動薬理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終目的は、衝動性制御の脳内メカニズムを明らかにし、衝動性抑制薬開発への糸口を見出すことである。応募者はこれまでにノルアドレナリン再取り込み阻害薬が内側前頭前野腹側部のドパミンD1様受容体(D1 or D5受容体)刺激を介して衝動性を抑制するという一見理解し難い現象を見出してきた。ドパミンD1様受容体にはドパミンD1受容体とドパミンD5受容体がある。ドパミンD5受容体が高次認知機能に果たす役割は不明な部分が多いが、前頭前野においてはドパミンD5受容体が密に発現する。そこで「内側前頭前野のドパミンD5受容体刺激によって衝動性が抑制される」を立てて、その検証を試みる。
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研究成果の概要 |
衝動性の亢進を伴う精神疾患があるが薬物治療は限られている。そこで、新規の分子標的を探索するため、D5受容体を完全に欠損させたマウス(D5KOマウス)を用いて、衝動制御におけるドーパミンD5受容体の役割を検討した。その結果、D5受容体ノックアウトによるホームケージでの活動への影響は、1日のうち特定の時間帯においてのみ、小さいながらも有意な効果が認められた。また、q-learningモデルを用いた解析では、D5KOマウスは衝動的な行動をとった後の行動適応度が低いことが明らかになった。しかし、D5KOマウスのベースラインの衝動的行動や抗衝動薬の効果は、野生型同腹子と同等であることも示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これらの結果は、D5受容体が衝動性制御に必要でないことを示すものであった。また、D5受容体の行動機能を明らかにするためには、時系列で解析することや学習過程の詳細な解析が必要であることが示された。
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