研究課題/領域番号 |
21K20859
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石野 貴雅 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (90907792)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / 免疫チェックポイント阻害剤 / ネオ抗原 / 大腸癌 / 大腸がん / MSI-high大腸癌 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤は腫瘍のエフェクターT細胞(Teff)を活性化し効果を発揮するが、特に体細胞変異由来のネオ抗原を認識しているTeffが重要とされている。私達は体細胞変異数が非常に多い高頻度マイクロサテライト不安定性を有する大腸癌でネオ抗原に着目し、従来ネオ抗原はinflamedな腫瘍微小環境を誘導するとされてきたが、特定のネオ抗原では遺伝子変異が機能的にnoninflamedな腫瘍微小環境に誘導している可能性が示唆された。そこで、本研究では体細胞変異を量だけでなく質的にも評価して腫瘍微小環境への影響を解明し、抗腫瘍免疫応答の本態解明、より効果の高い治療や正確なバイオマーカーを目指す。
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研究成果の概要 |
大腸癌のゲノム解析を通じてRNF43のフレームシフト変異に由来するネオ抗原を患者間に広く同定した。しかし、そのネオ抗原を有する大腸癌でも免疫応答が低い症例があり、遺伝子機能の変化を通じて質的に抗腫瘍免疫応答を抑制していることが示唆された。実験的にもRNF43の機能喪失が逆説的にnon-inflamedな腫瘍微小環境をもたらすことを立証した。さらに、oncogenicな機能を持つdriver変異に由来するネオ抗原はpassenger変異程は抗腫免疫応答を誘導しないことを明らかにした。 本研究を通じてネオ抗原を質・量の両面から評価し免疫チェックポイント阻害剤奏功を予測する重要性を提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害剤は様々な癌腫で有効性が示され、化学療法の在り方を大きく変えたものの、その奏効率は未だ満足のいくものではなく、効果予測のバイオマーカーや耐性機序の解明が必要である。本研究では、これまでの体細胞変異数の量的な評価だけでは抗腫瘍免疫応答の予測は不十分で、遺伝子自体の機能といった質的な部分まで踏み込んだ解析の必要性を新たに提唱した点に意義があると考える。
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