研究課題/領域番号 |
21K20862
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
矢本 香織 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (00906919)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 先天性四肢形成不全症 / 全ゲノム解析 / TP63 / PORCN / 裂手裂足症 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性四肢形成不全症は、出生時より四肢の形態異常を示す疾患の総称であり、臨床的・遺伝学的に多様な疾患である。代表的な疾患として、裂手裂足症、橈骨・尺骨形成不全症、大腿骨欠損症などが挙げられる。われわれは、現在までに先天性四肢形成不全症120家系を集積し、そのうち80家系において、既知あるいは新規の原因遺伝子を同定した。しかし、残る40家系において、その発症原因は明らかでない。本研究の目的は、これら発症機序不明の検体を用いて、全ゲノム解析を含めた網羅的遺伝子解析を行い、先天性四肢形成不全症の新規疾患成立機序の解明、四肢および指趾の発生過程の解明、遺伝カウンセリングの向上に貢献することである。
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研究成果の概要 |
先天性四肢形成不全症は、出生時より四肢の形態異常を示す疾患の総称であり、臨床的・遺伝学的に多様な疾患である。われわれは、全エクソーム解析の再解析により、本邦初のX染色体劣性PORCN non-Goltz spectrumの原因となるPORCN遺伝子変異、および、Goltz症候群の家族例におけるPORCN遺伝子のintron変異を同定した。さらに、集積した120家系のうち、これまでの解析で発症機序が解明されていない23家系28名の全ゲノム解析を施行し、裂手裂足症の原因遺伝子であるTP63遺伝子のdeep intron変異を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疾患原因が未解明であった症例に対して、全エクソーム解析の再解析および全ゲノム解析を施行し、新たに3家系で疾患原因となる遺伝子変異を同定できた。本研究の成果として、X染色体劣性PORCN non-Goltz spectrumという新たな疾患概念を支持する研究結果は、臨床的意義の高いものである。また、スプライス異常予測ツールを用いることで、これまで病的意義が不明であったintron変異の中から効率的に候補バリアントを絞り込むことが可能であり、今後、遺伝子診断率向上につながる可能性が示された。
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