研究課題/領域番号 |
21K20871
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
赤谷 律 神戸大学, 医学研究科, 学術研究員 (30910004)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 視神経脊髄炎スペクトラム障害 / 制御性B細胞 / プラズマブラスト / IL-6 / IL-10 / 形質芽細胞 / インターロイキン6 / インターロイキン10 / CD200 / 視神経脊髄炎 |
研究開始時の研究の概要 |
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は免疫性神経疾患であり、アクアポリン4に対する自己抗体の関与が知られる。自己抗体産生を司るB細胞には病原性細胞としての側面が注目されてきたが、一方で免疫制御性機能を持つB細胞亜分画も知られている。これまで、NMOSD病態における制御性B細胞の役割については不明であった。本研究ではフローサイトメトリーや遺伝子発現解析、細胞培養系を用いて、NMOSD患者のB細胞における病原性及び制御性B細胞亜分画を同定し、両者を区別する特徴を明らかにする。さらに、制御性B細胞分化誘導系を確立することで、疾患活動性制御や治療反応性を反映するB細胞発現因子の同定を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、以下の3つの方法を用いた研究を実施した。まず、in vitro培養系を用いてB細胞のPBへの分化誘導を確立し、抗IL-6受容体抗体の添加により制御性B細胞が誘導できることを確認した。RNAシークエンス解析でCD200分子をマーカー候補として同定し、患者比較でも有意差を確認した。次に、アストロサイトとB細胞の共培養系では、アストロサイトがPBの生存を延長するが、IL-6シグナルの阻害による有意な変化は見られず、この計画は中断した。最後に、in vivoモデルは未実現であり、レンチウイルス感染が原因でB細胞のCD200発現が低下するため、詳細なメカニズムは解明できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では視神経脊髄炎スペクトラム障害の患者にIL-6受容体抗体薬が使用されているが、患者のリンパ球の経時的な変化についての詳細な報告はまだない。B細胞は自己抗体を産生するため病気を悪化させる因子として認識されることが一般的であるが、IL-6受容体阻害薬の治療によってB細胞の抑制性サイトカイン(IL-10)産生能力が上昇することが証明された点が重要である。今後、B細胞の制御性メカニズムに焦点をあてることで生物学的製剤の使い分けや新規治療の開発につながる可能性がある。
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