研究課題/領域番号 |
21K20875
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
古宮 裕泰 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (90794553)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ミクログリア / マクロファージ / ALS / 筋萎縮性側索硬化症 / 神経炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
ALSは、進行性かつ不可逆な運動神経細胞の変性・脱落を特徴とした難病であり、病態機序として神経細胞自体の機能不全や細胞死が注目されてきた。一方で、外傷や感染などの全身炎症に伴い病態が加速度的に進行することが臨床的に知られている。本研究では、全身の各臓器の自然免疫と恒常性維持を担う単球系細胞に注目し、全身炎症によるALS病勢促進の機序解明を目指す。ALSモデルマウスに対し、細菌感染やウイルス感染を模した炎症を惹起し、単球系細胞(循環マクロファージおよび組織常在マクロファージ)の神経保護、神経障害作用の両側面から病態への関与を検討する。同時に、単球系細胞に注目した新規の治療ターゲットの探索を行う。
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研究成果の概要 |
ALSモデルマウスであるSOD1 Tgマウスと、組織マクロファージと循環マクロファージを弁別可能なCX3CR1-EGFP/CCR2-RFPマウスとを交配し、CX3CR1GFP/CCR2RFP/SOD1 Tgマウスを作出した。本マウスにリポ多糖あるいはpoly(I:C)を腹腔内へ反復投与することで慢性全身炎症を惹起し、生存解析・運動機能解析・組織学的解析を行った。生存期間、運動機能解析は、poly(I:C)投与群で、有意な生存期間短縮と運動機能低下を認めた。一方LPS投与群では、有意差を認めなかった。また、20週齢マウスの腰髄で、poly(I:C)投与群で有意な運動ニューロンの減少をみとめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて、感染・外傷などに惹起される全身炎症にともなう神経変性疾患の病勢進行において、神経系・免疫系・血液系をつなぐ担い手である単球系細胞が大きな役割を果たしていることが証明できれば、神経変性疾患を「全身病」として捉える疾患理解のパラダイムシフトをもたらすことが期待され、また、本研究における新規病勢マーカーや新規治療標的の同定によって、神経細胞のみに留まっている既存のALS治療戦略を越えた、新規の治療戦略を提示し得ると考えられる。
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