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海馬アストロサイトからのL-乳酸低下に着目した糖尿病の認知機能障害の発症機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K20877
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0902:内科学一般およびその関連分野
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

森島 徹朗  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (10448714)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード認知機能障害 / 糖尿病 / アストロサイト / L-乳酸
研究開始時の研究の概要

本研究では、糖尿病マウスの学習記憶機能障害の発症機序を解明する。糖尿病マウスでは短期記憶に障害はない長期記憶は減弱しており、短期記憶が長期記憶に変換されるステップに異常を来している可能性が高い。申請者らは糖尿病マウスの海馬で、記憶形成に必要なSharp Wave Ripple波が異なるパターンを示すことを見出している。また、糖尿病マウスでは、海馬アストロサイトの機能変化により、アストロサイトから神経細胞へ供給されるL-乳酸の量が低下し、記憶障害が生じている可能性がある。アストロサイトから放出されるL-乳酸量の低下による神経細胞の発火の異常が、糖尿病マウスの認知機能へ与える影響を検討する。

研究成果の概要

糖尿病マウスでは、新規物体認識試験により、記憶障害が生じていることが明らかになった。これは、海馬におけるアストロサイトの機能低下が関与し、アストロサイトから神経細胞へ輸送されるL-乳酸量が減少するためであることを、行動生物学的に明らかにした。また、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いて興奮性のデザイナー受容体であるhM3Dqを海馬のアストロサイトに発現させ、その機能を活性化すると、糖尿病で見られた認知機能障害が改善することが明らかになった。この海馬アストロサイトの活性化による糖尿病マウスの認知機能低下改善作用は、L-乳酸を輸送するトランスポーターを阻害すると消失した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

糖尿病患者の数は、全世界的に爆発的に増加しており、その合併症に悩まされる患者の数も多くなっている。糖尿病患者にみられる中枢神経系の合併症として認知機能障害があるが、その治療法は少なく、病態生理学的な理解も進んでいない。糖尿病患者にみられる認知機能障害のメカニズムを明らかにすることは、超高齢社会となった日本だけではなく、今後、高齢化が進む先進国においても重要な課題である。また、本研究は、アデノ随伴ウイルスベクターと化学遺伝学的手法を用いて、特定の神経系細胞の機能を時空間的に調節できる技術を利用した結果であり、学術的意義も高いと考えている。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-01-30  

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