研究課題/領域番号 |
21K20894
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 真司 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80913699)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 迷走神経刺激 / 慢性腎臓病 |
研究開始時の研究の概要 |
迷走神経を刺激すると抗炎症効果がもたらされることが知られており、炎症に関わる病気の新しい治療戦略として注目されている。本研究では、青色光を神経に照射すると刺激できる特殊なマウスと、近赤外光を照射すると青色光を出す特殊な微粒子を組み合わせることにより、マウスに負担をかけず迷走神経を刺激する方法を確立することを目指す。さらに、その方法を用いて、迷走神経の刺激が慢性腎臓病の進展予防に有効かどうかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、従来の方法では困難であった非侵襲的・反復的な末梢神経の刺激を、オプトジェネティクス(ChR2)とアップコンバージョンナノ粒子(NaYF4:Yb/Tm)を組み合わせることにより達成し、その方法を用いて慢性腎臓病における迷走神経刺激の有効性を検証することである。まず、ChR2を発現した迷走神経にアップコンバージョンナノ粒子を局所投与し、その後近赤外光レーザーを迷走神経に直接照射した際に、アップコンバージョンナノ粒子から局所的に放出される青色光がChR2発現線維を興奮させるか、を検証した。具体的には、Chat-ChR2マウス・Vglut2-ChR2マウス(それぞれ迷走神経遠心性・求心性線維にChR2が発現)のChR2発現迷走神経が上記手法で興奮するかを観察した。結果としては、Chat-ChR2マウスにおいては呼吸数には変化を認めず心拍数低下のみが観察され、Vglut2-ChR2マウスにおいては呼吸数が低下した(Hering-Breuer反射)。この結果は、ナノ粒子が局所で発する青色光をChR2が受容して神経を興奮させていることを示しており、本研究計画の実行可能性を支持する重要な結果である。上記実験では近赤外光のファイバーを露出した迷走神経の直上に置いたが、本実験では神経とファイバーの間に皮膚やその他の組織が存在する。現在、麻酔下のマウスにおいて、再現性を持って至適強度の刺激を行うために、マウスの固定方法・ファイバーの位置・角度及び光の強度の最適化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Proof of conceptとして重要な結果をすでに得ており、現在本実験に向けてプロトコルの最適化の段階であるため。
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今後の研究の推進方策 |
本実験に向けて刺激条件の最適化をまずは完了する。迷走神経刺激は心拍数・呼吸数を低下させるので、最適化の目安として低下幅が10%以下になる条件を探す(過度の心拍数・呼吸数低下は慢性腎臓病進行に影響を与えうるため)。5 Hz/10分という迷走神経刺激の条件で急性腎障害が抑制されたので(Tanaka, et al. 2021 PNAS)、これらの条件は固定する。条件最適化後、慢性腎臓病モデルマウスに迷走神経刺激を連日施行する。慢性腎臓病誘導のため、片側腎虚血再灌流または葉酸投与を行い、Day 3に手術で左頚部迷走神経にアップコンバージョンナノ粒子を局所投与し閉創する。Day 4-13に連日、麻酔下で左頚部迷走神経に体外から近赤外光レーザーを照射し、青色光を迷走神経局所で発生させ、ChR2発現線維を刺激する。Day 14に腎臓・血液を採取し、迷走神経遠心性・求心性線維刺激の腎線維化(慢性腎臓病進展)への効果を調べる。保護効果が得られれば、脾摘やβ2ブロッカー投与で保護効果が消失するか(急性腎障害に対する保護効果と同一メカニズムか)検討し、さらに腎臓・脾臓の免疫細胞のphenotypeをフローサイトメトリーで調べる計画である。
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