研究課題/領域番号 |
21K20899
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安田 康紀 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20905830)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | PD-1 / 甲状腺 / 免疫関連有害事象(irAE) / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫療法である免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)による免疫関連有害事象(irAE)の中で、抗PD-1抗体による甲状腺irAEの発症頻度が高いことが知られている。申請者らは抗PD-1抗体による破壊性甲状腺炎マウスモデルを開発し、細胞傷害性CD4陽性T細胞が発症に関与していることを報告した。これまでICIsによる甲状腺irAEを発症した場合、その後のICIs再投与での甲状腺irAEの再発率は他のirAEに比べ低いことが報告されているが、その機序については不明である。本研究では、我々がすでに開発したマウスモデルを用いることで、ICIs再投与での甲状腺irAE非再発の機序の解明を進める。
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研究成果の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体によって甲状腺の免疫関連有害事象(irAE)が発症した後、抗PD-1抗体を再投与しても甲状腺irAEが再発しにくいことが報告されているが、機序は不明である。抗PD-1抗体による甲状腺irAEマウスモデルを用いた実験の結果では、抗PD-1抗体再投与後に甲状腺irAEの悪化は認められず、また抗PD-1抗体再投与後の甲状腺ではCD11b陽性マクロファージの浸潤が多く認められた。CD11b陽性マクロファージが甲状腺irAEの非再発機序としての抗炎症作用に関与している可能性が考えられたため、今後は詳細な機序についての検討が重要と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体の再投与では、甲状腺の有害事象(irAE)が発症しにくいことが報告されている。しかし、その機序は不明であるため、本研究では抗PD-1抗体による甲状腺irAEマウスモデルを用いて、甲状腺irAE発症後に抗PD-1抗体を再投与する実験を行った。結果は、抗PD-1抗体の再投与後に甲状腺irAEの増悪は認められなかった。本研究で甲状腺irAEの非再発機序における抗炎症作用やT細胞の疲弊についての詳細な機序を解明することで、甲状腺以外のirAEの発症機序の解明にもつながることが期待される。
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