研究課題/領域番号 |
21K20910
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
成田 圭佑 自治医科大学, 医学部, 助教 (60912756)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高血圧 / 心不全 / 血圧変動 / 身体活動 / 生活環境因子 / 気温変化 / 環境因子 / 心不全予防 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、心不全患者が急増しており、心不全の予防は我が国における喫緊の課題である。申請者は実臨床で、冬季の寒冷や身体活動により血圧上昇をきたし心不全が増悪した例を経験してきた。しかし、心不全患者において気温および身体活動の変化に伴う血圧変動を検討した研究は未だにない。本研究では、気温や身体活動に伴う血圧変動が心不全増悪の一因であるという仮説を検証する。心不全患者を対象として、申請者らが独自に開発したマルチセンサー搭載自由行動下血圧計を用いて、気温・身体活動と血圧を同時に測定する。これにより気温や身体活動による血圧変動が、新しい血行動態指標として心機能および予後予測因子となるか明らかにする。
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研究成果の概要 |
身体活動や気温変化の評価が可能であるマルチセンサー搭載自由行動下血圧計を用いて、心不全患者における血圧変動の評価を行った。2022年度末(2023年3月)の時点で200名を超える被験者を登録した。これらのデータを用い、血圧の気温感受性と心機能の関連についての結果を2021年欧州高血圧学会で発表した。さらに、心不全の治療前後において、マルチセンサー搭載自由行動下血圧計による前方視的検討を行い、心機能が改善した集団では身体活動に対する血圧変動が改善することを明らかにした。本研究結果は少数ではあるものの貴重な結果であり、2022年に査読付き英語雑誌JACC Asiaに結果を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、心不全患者における身体活動や気温の変化に伴う血圧変動の病的意義、心機能との関連の一部を明らかにした。心不全患者において、身体活動や気温変化による血圧の急激な上昇が、心機能が保たれた心不全患者(HFpEF)においても同様に病的意義を持つことが示唆され、一般診療においてこれらの血圧変動指標を評価することで心不全もしくは心機能低下のスクリーニングにも有用である可能性が示唆された。本研究の結果より、居住環境、室温の調整による心不全増悪の予防や心臓リハビリの個別最適化についての新たな研究や従来の薬物治療とは異なる新たな視点からの心不全への治療介入研究の可能性が広がったと考える。
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