研究課題/領域番号 |
21K20911
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高宮 彰紘 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40912142)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 電気けいれん療法 / 海馬 / 難治性うつ病 / MRI / 扁桃体 |
研究開始時の研究の概要 |
電気けいれん療法 (Electroconvulsive therapy: ECT) はうつ病に対して最も有効な治療だが、その作用機序は不明である。申請者がこれまで行ってきた核磁気共鳴画像法 (magnetic resonance imaging: MRI) を用いた臨床研究において、ECTはヒト海馬歯状回の体積増大をもたらすことがわかった。しかし、ECTによる海馬体積増大がどのような細胞生物学的メカニズムにより引き起こされるかは未だに不明である。本研究は、「ECTは海馬歯状回の細胞新生を増加させ、この変化がECTによる海馬体積増大を引き起こす」という仮説を検証するために行うリバーストランスレーショナルなマウスのECT-MRI研究である。
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研究成果の概要 |
精神科領域で最も有効な治療である電気けいれん療法 (electroconvulsive therapy: ECT) が海馬構造に与える影響を、マウスを対象とした核磁気共鳴画像法 (magnetic resonance imaging: MRI) と組織学解析を用いて網羅的に調べた。本研究ではまず臨床研究からわかってきたECTのMRI海馬体積増大という現象はマウスでも認めることを示した。さらにMRI体積増大部位の神経新生、シナプス密度増加、樹状突起分岐増加、スパイン増生という変化を突き止めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ECTは特にうつ病に対して最も高い有効性と即効性にある治療法だが、その作用機序にはわかっていない点も多い。本研究は人対象の研究からわかってきたMRIの海馬体積増大という現象をマウスでも再現することに成功した。ここから、人対象では調べることが不可能なMRIの変化部位のミクロな構造変化まで迫ることができ、より詳細なECTの作用部位の特定に進むことができる。そこからECTと同等の高い有効性の新たな治療法開発につながる可能性がある。
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