研究課題/領域番号 |
21K20914
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
永井 洋介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90912634)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / Rho-kinase / ROCK1 / 脂肪酸代謝 / ミトコンドリア障害 / 糖尿病腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病の主要な合併症である糖尿病腎症の発症・進展には、低分子量G蛋白Rhoとその下流のRho-kinaseが重要な役割を果たしていることが明らかとなっている。また糖尿病腎症の成因として脂肪酸代謝異常が注目されており、本研究では腎臓における脂肪酸代謝にRho-kinase、特にそのアイソフォームのひとつであるROCK1がどのように関わるのかを明らかにすることを目的とする。本研究によってROCK1が糖尿病腎症の発症・進展のカギを握る因子であることが明らかになれば、糖尿病腎症をはじめとする腎疾患の新規治療戦略構築につながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
糖尿病性腎臓病は我が国における透析導入原疾患の第一位であり、その原因究明と新たな治療戦略の構築が喫緊の課題となっている。我々は本研究において、低分子量GタンパクRhoのエフェクターであるROCK1が糖尿病環境下の腎糸球体の脂肪酸代謝異常に関与しており、糖尿病性腎臓病の発症・進展に重要な役割を担っていることを明らかにした。今後、ROCK1を標的とした新たな治療戦略の構築が望まれる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病患者の末期腎不全への進展抑制は患者の生命予後改善のみならず、医療経済的にも重要な課題である。糖尿病性腎臓病の治療薬として降圧薬であるRAS阻害薬や、血糖降下薬であるSGLT2阻害薬の有効性が報告されているが、それらを併用しても進展を完全に止めることは出来ず、新たな治療法の開発が求められている。本研究ではROCK1が糖尿病糸球体における脂肪酸代謝異常およびミトコンドリア障害の原因となっており、その阻害により糖尿病性腎臓病の発症・進展が抑制されることを明らかにした。これらの結果は糖尿病性腎臓病治療薬としてのROCK阻害薬の臨床応用や、ROCK1阻害薬の開発に繋がるものと期待される。
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