研究課題/領域番号 |
21K20918
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
栗原 和生 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40907961)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | T細胞 / アトピー性皮膚炎 / レジデントメモリーT細胞 / 病原性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性炎症性皮膚疾患であるアトピー性皮膚炎(AD)の病態形成には、インターロイキン(IL)-4/IL-13を主体としたタイプ2サイトカインが深く関与する。病変部におけるタイプ2サイトカインの主要産生細胞として、病原性T細胞サブセットの存在が、種々の動物実験や臨床検体を使った網羅的解析から示唆されている。本研究は、ヒトAD病変部からT細胞を分離培養する独自の手法を用い、ヒトADにおける病原性T細胞の同定とその機能解析を行うことで、ADの再発予防・根治治療開発につなげたい。
|
研究成果の概要 |
アトピー性皮膚炎(AD)病変部の表皮や真皮にレジデントメモリーT細胞(TRM)のサブセットであるCD103を発現するT細胞が多くみられた。TRMはメモリーT細胞の1分画で、いったん組織に移行した後循環することなく皮膚などの非リンパ組織に長くとどまり続ける性質を持つ。そのため、TRMがAD病変の治療抵抗性や再燃に深く関わっていると考えられた。また、TRMが表皮肥厚に関与するIL-22を産生しており、IL-22産生CD103陽性CD8陽性TRMの割合と病変部の表皮肥厚と正の相関がみられ、TRMが表皮の増殖や活性化に関与している可能性を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究での研究成果によって、再発・治療抵抗性を示しやすい慢性炎症性皮膚疾患の1つであるアトピー性皮膚炎に対して、病変部に存在するレジデントメモリーT細胞(TRM)が関与している可能性を示した。このレジデントメモリーT細胞の機能や活性化機能が解明され、抑制することができれば、治療に難渋する症例の病態解明につながるだけでなく、新しい治療法へと繋がると考える。
|