研究課題/領域番号 |
21K20925
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
永芳 友 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (60908028)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 修飾ヌクレオシド / バイオマーカー / 腎疾患 / 尿中バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
RNA化学修飾研究は、新しい研究分野として注目されている。RNA化学修飾は100種類以上存在し、RNA機能を制御している。申請者は修飾RNAの分解産物である修飾ヌクレオシドが尿中に多く排泄されることと腎疾患患者の尿検体において修飾ヌクレオシドの排泄挙動が変化するということを明らかにした。これらの知見から、修飾ヌクレオシドで腎臓病を診断することができるのではないか?という着想に至った。そこで本研究では①腎疾患による尿中修飾ヌクレオシドの排泄への影響②腎疾患の診断や重症度判定に尿中修飾ヌクレオシドが有用か?という2つの課題を、腎臓病モデルマウスや臨床検体を用いて解き明かす。
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研究成果の概要 |
RNAは複雑で多彩な化学修飾を受けることでその機能を適切に果たす。先行研究で修飾RNAの転帰を検討したところ、修飾RNAはヌクレオシドまで分解された後、修飾ヌクレオシドは尿中に多く排泄されていることを明らかにした。しかしこの排泄現象の生理機構や腎疾患との関連は明らかになっていない。本研究では糸球体疾患や尿細管疾患を主とする腎臓への負荷が修飾ヌクレオシド排泄にどのような影響を与えるのか?をモデル動物および臨床検体を用いて解き明かすことを目的とした。本研究の結果、塩分負荷や糖尿病、尿細管障害のモデルマウスや臨床検体を用いて、修飾ヌクレオシドの排泄プロファイリングが変化していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに腎疾患における修飾ヌクレオシド排泄変化は、未開拓の研究領域であり、今回の結果は新しい腎生理機能を明らかにするきっかけとなることから学術的意義は高い。加えて現在の臨床現場では、腎疾患の確定診断には腎生検を行う。腎生検は侵襲度の高い検査であるため、患者負担のみならず医療者の負担も大きい。本研究において明らかとなった、腎疾患モデルで排泄変化を認めた修飾ヌクレオシドは新規バイオマーカーとなる可能性がある。この結果は迅速簡便な新規腎疾患診断法に寄与する可能性が高く社会的意義も大きい。
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