研究課題/領域番号 |
21K20938
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
筒井 真博 旭川医科大学, 医学部, 助教 (00910267)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生体吸収性人工血管 / ナノファイバー / 小口径人工血管 / 生体吸収性素材 / 自家血管様再生 / 分解性 / 生体分解性ポリマー / 自己組織再生 |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈バイパス術のような細径血管の血行再建術では、臨床使用が可能な人工血管は存在しない。治療は患者自身の血管の使用に依存せざるを得ないため、安定供給可能な小口径人工血管の創出は心臓血管外科領域における最重要課題の1つである。 我々は生体分解性のポリカプロラクトン(PCL)を用いた小口径人工血管を作成したが、生体内で分解が遅い事によりグラフト機能が低下するという欠点が明らかとなった。本研究では、PCLを基本構造とした、より生体分解性の高い細径人工血管を作成して、耐久性と自家血管様の再生を向上させることができるかどうかを明らかにすることで、小口径人工血管の実用化基盤の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
分解性向上のポリカプロラクトン(PCL)グラフト作成までは到達できなかったが、分解性を評価するために、人工血管の開存性を改良する必要がある。本研究ではPCLグラフトにポリビニルアルコール(PVA)をコーティングすることで開存性の改良を図っていたが、in vitroにおいては血小板吸着は抑制したが、全血条件では血栓形成を引き起こしていた。ここで、PVAが親水性であることに着目し、事前に超純水で親水性コーティングを活性化した状態で全血に晒すことでコーティング機能を改善する可能性が示唆された。また、分解性を長期評価する目的で、ラットモデルからウサギモデルへのシフトを検討し、ウサギモデルを確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心臓外科領域において、即時利用可能な小口径人工血管の開発は必要不可欠である一方で、現状、一般に臨床応用されている小口径人工血管は存在しない。本研究はその開発において、特に問題となりやすい人工血管のコーティングに関する知見に関して、一定の知見を得られたと考える。親水性コーティングに関しては、一度超純水に晒すことで水の膜を形成し、親水コーティングの性能を発揮する可能性を示唆したが、今後の研究で親水性コーティングのさらなる改良が必要と思われる。 また、分解性を長期的に評価する動物モデルを作成したことで、今後作成する新たなナノファイバーグラフトを長期に評価し、分解性を検証、改良することが可能と考える。
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