研究課題/領域番号 |
21K20952
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
里見 志帆 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (60778299)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / 心肥大 / ミトコンドリア / ダントロレン / カルシウムダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、心不全の原因となる心肥大に対して、全身麻酔の合併症の一つである悪性高熱症の治療薬(ダントロレン)が持つ効果について検討する。ダントロレンのカルシウム制御機能と、細胞内小器官であるミトコンドリアの働きとの関係性を検討することで、心筋細胞内のカルシウムダイナミクスがミトコンドリアの働きに与える影響を解明し、心不全の新たな治療戦略を探ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
ダントロレンは、リアノジン受容体を介し小胞体からのカルシウム放出を抑制する。全身麻酔薬による悪性高熱症の治療薬として知られる薬剤であるが、近年、ダントロレンが示す心筋肥大抑制効果が注目されている。そこで今回、ダントロレンによるリアノジン受容体を介したカルシウム制御機能とミトコンドリア機能との関係性を検討することで、心筋細胞内のカルシウムダイナミクスがミトコンドリア機能に与える影響を調べた。その結果、ダントロレンがリアノジン受容体を介し細胞内カルシウムの放出を抑制すること、さらにミトコンドリア融合に作用する可能性が示唆された。これらのことよりダントロレンが心筋肥大に有効に働く可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋肥大に対する治療、予防薬剤は研究されているが、その患者数は超高齢化社会の影響で増え続け、今後も増加することが予想されている。ダントロレンは全身麻酔時に発症する悪性高熱症の治療薬として用いられているが、カルシウムの放出抑制に大きくかかわっているため、他にもいろいろな作用が報告されており、ドラッグ・リポジショニングの観点からも注目されている。今回の研究成果によってダントロレンの心筋肥大に対する生体内の役割が明らかになることで、心筋肥大抑制の機序解明につながる可能性がある。また、心筋肥大・心疾患患者の予後改善につながれば、社会的意義が非常に高いと思われる。
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