研究課題/領域番号 |
21K20955
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田村 公二 九州大学, 大学病院, 助教 (90909582)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大腸癌 / de novo癌 / 腸内細菌叢 / 家族性大腸線種症 / microbiome / de novo大腸癌 / 腫瘍微小環境 / 菌叢解析 / single cell RNA sequence |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌は主に腺腫から発生すると考えられていた。そのadenoma-carcinoma sequence(ACS)とは別のde novo発癌経路が認識されるようになったが、その発癌・進展様式は解明されていない。近年、大腸癌においても発癌とmicrobiomeの関連性の報告があるが、de novo大腸癌患者のmicrobiomeを解析し、発癌経路への関与を検討した報告はない。本研究では、腸内細菌叢だけでなくde novo大腸癌の発癌や進展様式、さらには転移に関わる腫瘍内や腫瘍微少環境のmicrobiomeを解析し、特定のmicrobiomeを標的とした治療法や発癌予防の解明につなげることである。
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研究成果の概要 |
本研究の主題であるde novo癌症例数が少なく、少し方向性を変更しFAP患者やIBD患者由来含めた大腸癌組織での解析を行った。FAP由来大腸癌検体から複数部位の組織を採取し、scRNA-seqを施行した。クラスタリングにより細胞集団が同定され、既知のマーカー遺伝子を用いてcell typeを同定した。また、腫瘍微小環境のfibroblastのみを再クラスタリングしたところ、4つのクラスターが同定され、癌部と正常部での特異的な傾向を同定した。さらに免疫関連細胞群と各々の集団の遺伝子発現解析も進めている。便サンプルのmicrobiomeは解析に提出中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
de novo癌、FAP、colitic cancerを含む大腸癌の発癌メカニズムを腸内細菌叢及び腫瘍微小環境の不均一性という側面から検討することは、大腸癌治療開発において刷新的であり社会的な要請の強い大腸癌の治療開発に飛躍的な進歩をもたらすと期待される。また、本成果は、scRNAseq解析やmicrobiome解析などマスデータを含むもので、そのインパクトは大きく、癌研究だけでなく、生物学や細菌学など学術的にも広範な波及効果が期待される。
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