研究課題/領域番号 |
21K20964
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松永 麻美 京都大学, 医学研究科, 助教 (00599524)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 有毛細胞 / 支持細胞 / type I IFN/JAK/STAT / モチーフ解析 / ATAC-seq / 有毛細胞再生 / 支持細胞活性化 / type I interferon / JAK/STAT / 基底乳頭器官培養 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、鳥類蝸牛有毛細胞再生初期過程の網羅的遺伝子発現解析において検出された、type I IFN/JAK/STAT 情報伝達系の支持細胞活性化における分子機構を明らかにし、マウス蝸牛での type I IFN/JAK/STAT 情報伝達系関連因子の発現検証を行い、ヒト新規感音難聴治療への応用を目指す。 具体的には、鳥類の聴覚器官である基底乳頭器官培養系での有毛細胞再生モデルを用いて、1)type I IFN 誘導因子を同定し、2)再生起点誘導下流因子を同定・機能解析を行い、3)マウス蝸牛器官培養系での当該伝達系関連因子の発現の有無を検証し、鳥類蝸牛とマウス蝸牛との差異を明確にする。
|
研究成果の概要 |
有毛細胞再生能がない哺乳類への応用を目指し、自発的再生可能な鳥類蝸牛有毛細胞再生能に着目し、器官培養系での鳥類蝸牛有毛細胞再生モデル(Matsunaga et al., 2020) を用いてRNA-seq解析を行った。結果、再生初期過程において活性化を示す新規候補シグナルとしてtype I IFN/JAK/STAT経路を検出した。本研究では、当該経路の分子機構を解明すべく、上流分子の同定を目指しプロモーター領域解析(モチーフ解析とATAC-seq解析)を行った。現在、解析中であるが、当該経路における上流候補分子が抽出されており、今後機能解析を行う予定である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
哺乳類では、聴覚を担っている感覚細胞である蝸牛有毛細胞が一旦傷害され喪失すると再生せず難聴は永続的となる。難聴は世界で最も頻度の高い身体障害として、また我が国では高齢者の5人に1人が認知症になるといわれている2025年問題の最大要因として注目されており、治療法の開発は喫緊の課題といる。鳥類の蝸牛有毛細胞は、生涯を通じて周囲に存在する支持細胞を起源とた再生が可能であるが、再生機構は一端しか解明されていない。鳥類の遺伝子情報が充実し、網羅的遺伝子発現解析が可能となった今こそ、鳥類蝸牛の旺盛な再生メカニズムを解明することは、ヒト感音難聴治療法開発のブレークスルーになると考える。
|