研究課題/領域番号 |
21K20968
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 顕生 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50909653)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 尿路上皮癌 / 血液診断薬 / 血液細菌叢 / エクソソーム / 腫瘍免疫 / 腫瘍微小環境 / 血液内細菌叢 / 早期血液診断薬 |
研究開始時の研究の概要 |
尿路上皮癌は病期分類により著明に予後が異なり早期発見が重要な癌種であるが、他の癌種のような血液バイオマーカーは存在しない。近年、癌局所における臓器特異的な細菌叢や、“血液を中心とした全身細菌叢”が存在し、癌の病期や悪性度を反映することが報告されている。 我々は、“尿路上皮癌局所の細菌叢”に特異的なエクソソームが血中に存在することを明らかにしており、この“血液細菌叢情報”を利用した尿路上皮癌の早期発見や個別化医療を実現する簡便な血液バイオマーカーの開発と臨床応用を目指す。
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研究成果の概要 |
ファーミキューテスDNAを持つ末梢EVの量が少ないほど、腫瘍組織内の浸潤T細胞数が多く(CD3:p=0.015, CD4:p=0.039, CD8:p=0.008) 、その表面で活性化マーカーが多く(CD4とCD8 T細胞の両方でICOS:p=0.001、4-BB:CD4 T細胞:p=0.016)発現することが有意に関連した。Firmicutesの存在量が多い患者はすべて病勢が進行し(p=0.026)、免疫療法の予後が著しく劣っていた(p=0.035)。 血液中のEVが運ぶファーミキューテス門の豊富さは局所的な免疫状態を反映し、尿路上皮癌の免疫療法の効果や予後を予測することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに尿路上皮癌の血液バイオマーカーは存在しておらず、尿を用いた尿細胞診検査や膀胱鏡検査を用いて尿路上皮癌の診断は行われてきた。しかし、その感度の低さや侵襲性の高さから、簡便な血液バイオマーカーの作成が希求されていた。そこで、我々の開発した血液内エクソソームの細菌遺伝情報を用いたバイオマーカーの創出は非常に新規性が高く、臨床応用されることができれば非侵襲的に尿路上皮癌患者の早期発見に結び付くと考える。また、近年癌治療の主流ともなりつつある免疫療法の治療効果も予測可能であり、治療適応患者の選出にも役立つ可能性が考えられる。
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