研究課題/領域番号 |
21K20972
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上田 瑛美 (田平瑛美) 九州大学, 医学研究院, 助教 (30911359)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 認知症 / 網膜バイオマーカー / 網膜神経節細胞 / 光干渉断層計 / 網膜 / バイオマーカー / コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
現在認知症や脳萎縮の指標となる簡便で非侵襲的な検査法が求められている。近年SS-OCT(波長掃引式光干渉断層計)の開発により、網膜神経節細胞層厚が非侵襲的に数秒で測定可能となり、網膜神経節細胞層厚が認知症発症を予測し、脳萎縮を反映するバイオマーカーとなる可能性が示唆されている。本研究では、日本人の代表的なサンプル集団である福岡県久山町の疫学研究を用いて、1) 網膜神経節細胞層厚と認知症発症との関連、2) 網膜神経節細胞層厚と脳萎縮部位との関連を明らかにし、認知症における網膜バイオマーカーの有用性を検証することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
一般住民を対象としてSS-OCTで測定した網膜神経節細胞-内網状層(GC-IPL)および網膜神経線維層(RNFL)と認知症との関連について検討し、さらに脳画像データを用いてVBM解析を行い、GC-IPL/RNFLと関連のある脳萎縮パターンを検討した。結果、日本人地域高齢住民においてSS-OCTで測定したGC-IPLの菲薄化は認知症と有意に関連した。また、脳画像データを用いたVBM解析では、GC-IPLの菲薄化は海馬、扁桃体、嗅内野、海馬傍回、舌状回、楔部、鳥距皮質、視床などの灰白質萎縮と有意に関連した。認知症者を除外した対象者でのVBM解析ではGC-IPL菲薄化は海馬萎縮と有意な関連を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人地域高齢住民においてSS-OCTで測定したGC-IPLの菲薄化は認知症と有意に関連した。また、脳画像データを用いたVBM解析では、GC-IPLの菲薄化は海馬、扁桃体、嗅内野、海馬傍回、舌状回、楔部、鳥距皮質、視床などの灰白質萎縮と有意に関連した。認知症者を除外した対象者でのVBM解析ではGC-IPL菲薄化は海馬萎縮と有意な関連を示した。一方、RNFLは認知症および認知機能に関わる脳部位に有意な関連は認めなかった。従って、SS-OCTを用いたGC-IPL測定は非侵襲的で簡便で再現性に優れており、認知症のハイリスク群を同定し、認知症における神経変性の過程を評価するよい指標となるかもしれない。
|