研究課題/領域番号 |
21K20997
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
奥村 雄一 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (80907361)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 眼科 / 角結膜 / 角結膜上皮障害創傷治癒 / 多血小板血漿 / platelet-rich plasma / 創傷治癒 / 再生医療 / 多血小板血漿点眼 / PRP点眼 / 角結膜上皮創傷治癒 / 難治性角結膜上皮障害 / PRP / 角結膜上皮障害 / 点眼 / 多血小板血漿(PRP) / 多血小板血漿点眼(PRP点眼) / ドライアイ |
研究開始時の研究の概要 |
難治性角結膜上皮障害は、疼痛・視力低下・感染性角膜炎・角膜穿孔等を引き起こす。難治性角結膜上皮障害に対する治療は点眼療法が中心だが、既存の治療では奏効しない難治性角結膜上皮障害が存在し、新規点眼薬の開発が望まれている。そこで、生理活性物質を多く含む多血小板血漿 (PRP)の点眼応用が期待されているが、PRPの角結膜上皮障害に対する創傷治癒促進機構は解明されておらず、臨床応用を阻んでいる。本研究ではマウス角膜上皮創傷モデルを用い、PRP点眼による角結膜上皮障害治癒促進に関与する生理活性物質や発現変動遺伝子を特定し、PRP点眼による角結膜上皮障害治癒促進に関する増殖・分化・炎症制御機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、冷蔵保存した多血小板血漿(platelet-rich plasma, PRP)点眼の安全性および有効性を明らかにした。PRP点眼は既存治療が奏効しない難治性角結膜上皮障害に対する新たな治療法として期待されている。一方で、冷蔵保存後のPRP点眼の安全性や有効性に関する報告はなく、臨床応用を阻んでいた。本研究では、冷蔵保存後のPRP点眼の無菌性を証明し、冷蔵保存後のPRPが血清よりも有意に高濃度の生理活性物質を含有することを示した。さらに、培養正常ヒト角膜上皮細胞創傷モデルおよびマウス角膜上皮創傷モデルにて、冷蔵保存後のPRPが血清と比較して有意に創傷治癒を促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PRP点眼は既存の治療が奏効しない難治性角結膜上皮障害に対する新たな治療法として期待されている。一方で、患者がPRP点眼を利用する際には自宅等での冷蔵保存が必要となるが、今まで冷蔵保存後のPRP点眼の安全性や有効性に関する報告はなく、臨床応用を阻んでいた。本研究では、冷蔵保存したPRP点眼の安全性および有効性を明らかにした。 本研究により、冷蔵保存したPRP点眼は、無菌性を維持した状態で角膜上皮障害の創傷治癒を促進することが明らかとなり、PRP点眼が難治性角結膜上皮障害に対する新たな治療法となる可能性が示唆された。 本研究はPRP点眼の臨床応用に向けた社会的意義のある橋渡し的研究であったと考える。
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