研究課題/領域番号 |
21K21009
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内藤 克昭 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70909506)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 根面う蝕 / PIXE/PIGE / X線吸収分光 / 有限要素法 / ハーゲン・ポアズイユ流れ / ナビエ・ストークス方程式 / 象牙質 / う蝕 / 数理モデル / XAFS / バイオミネラリゼーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,バイオミネラリゼーションに基づく「削らないう蝕治療」を達成すべく,F, Ca, Zn, Srなどの抗う蝕性イオンを歯質に導入する際の,歯質内におけるイオン動態現象を時間的・空間的に明らかにすることを目的としている.ミネラル喪失というマクロなう蝕病態を,量子・X線ビーム技術による原子・分子スケール解析と,物質輸送に関する数理モデルを用いた理論的な検証を統合的に組み合わせて,革新的なう蝕治療・予防法の開発につなげることを企図している.
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研究成果の概要 |
本研究は,バイオミネラリゼーションに基づく"削らないう蝕治療"を達成すべく,F,Ca,Zn,Srなどの抗う蝕性イオンを歯質に導入する際に,歯質内でのイオン動態現象を時間的・空間的に明らかにすることを目的とした.量子・X線ビーム技術のうち,X線吸収分光法を用いることで,耐酸性向上に関与した亜鉛イオンが象牙質内で4配位構造を持つ共有結合を有している可能性が示唆された.また有限要素法を用いたイオン拡散の解析については,象牙細管内の流体流れをハーゲン・ポアズイユ流れに従うように組み込んだ数理モデルで,3次元でのフッ化物イオンの拡散現象を可視化することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,結合様式という原子レベルでの違いが,耐酸性というマクロな現象に影響を与えることを示した.また理論的にイオンの拡散現象を明らかにすることで,拡散に関与する因子を明確にできた.これらの結果は,う蝕研究において,①原子レベルでの解析が,これまで未知とされてきたう蝕の動態現象の解明につながること,②理論的なアプローチは,理論的な背景に基づいた革新的な材料開発に発展する可能性があること,これら2点で重要な意義をもつといえる.
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