研究課題/領域番号 |
21K21021
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
田中 元博 昭和大学, 歯学部, 助教 (70908376)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 変形性関節症 / 軟骨細胞 / MCT-1 / 酸化ストレス / 低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症は、酸化ストレスにより関節軟骨の軟骨細胞の細胞死や軟骨基質の消失などの軟骨変性が表層から起こっている。関節軟骨は典型的な無血管組織で、深部では酸素分圧が低下する。マウス軟骨様細胞ATDC5細胞をIL-1βに暴露すると活性酸素産生酵素NOX-2の発現が誘導されること、NOX-2の発現誘導にモノカルボン酸トランスポーター (MCT)-1が必要であることが知られているが、応募者は、ATDC5細胞におけるMCT-1の発現上昇が関節軟骨表層の6%以上の酸素を必要とすることを見出した。そこで本研究は、OAモデルマウスにおいて、MCT-1の発現あるいは活性の調節がOA病態に与える影響を解析する。
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研究成果の概要 |
IL-1βによる軟骨細胞死の誘導に必要なMCT-1とNOX-2の発現誘導が、関節軟骨表層の酸素分圧を必要とすることが明らかとなった。この結果は、OAの発症が軟骨表層部から始まる機序を説明する。また、関節軟骨におけるMCT-1の発現制御あるいは機能抑制が顎関節を含む変形性関節症の治療に有望なアプローチであることが示唆された。本研究グループはこれらの内容を様々な学会にて発表し、2022年には論文にて発表を行った。今後も引き続き研究を重ねていく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IL-1β存在下の軟骨細胞におけるMCT-1の発現レベルが酸素分圧の影響を受けることは、応募者の発見であり、酸素分圧に応じたMCT-1の発現レベルから軟骨細胞の細胞死を説明するというアイデアは、応募者が初めて提唱する独創的なものである。本研究は、応募者の発見を生体レベルで検証するものであり、学術的独自性は高い。関節軟骨におけるMCT-1の発現制御あるいは機能抑制が顎関節を含む変形性関節症の治療に有望なアプローチであることが示唆され、臨床的にも非常に意義のあるものと考えられる。in vitroでの研究成果を論文にまとめ学会発表を多数行ったことで社会的にも有意義であると思われる。
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