研究課題/領域番号 |
21K21026
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
遠山 俊之介 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (10908940)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Myo-inositol / 下顎骨特異的成長 / myo-inositol / 構造異性体 / endochondral growth / chondrocyte / Pik3cd |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは成長期マウスへのMyo-inositol栄養補給は下顎頭軟骨の特異的成長促進が可能であることを明らかにした。Inositolには8つの構造異性体が存在し、構造異性体のなかには多嚢胞性卵巣症候群への治療効果が報告されるなど、myo-inositol以外のinositol構造異性体が特異的な下顎骨成長促進効果を示す可能性も推察される。本研究課題ではInositolの構造異性体について、軟骨細胞の細胞増殖・軟骨分化促進効果を比較し、最も促進効果が高いinositolを培養実験系で同定する。さらにそのinositolの成長促進効果について下顎骨特異性を示すかどうかを動物実験系で明らかとする。
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研究成果の概要 |
本研究では、Myo-inositolが軟骨分化に与える影響を明らかにするため、マウス由来の軟骨分化能を持つATDC5細胞を用いた培養実験を行った。細胞は①対照群(control)、②陽性対照群(BMP4群)、③実験群(Myo-inositol群)の3群に分け、軟骨分化の指標として軟骨分化の最終マーカーであるColⅩの発現を比較した。その結果、Myo-inositolを添加した実験群において、ATDC5細胞の軟骨分化が有意に増強されることが確認された。このことから、Myo-inositolは下顎の成長を促進するだけでなく、軟骨の恒常性維持にも有益であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、Myo-inositolが軟骨細胞の分化を促進する能力を持つことを明らかにし、特にATDC5細胞におけるSox9の増強を通じてその効果を示した。これにより、Myo-inositolが下顎の成長を促進し、軟骨の恒常性を維持するための作用があることが示唆された。Pik3CDを介した細胞内シグナル伝達の理解を深め、軟骨形成メカニズムの新たな知見になる。将来的な臨床応用にMyo-inositolのサプリメントとしての可能性が示され、下顎後退症に対し新しい治療を提供することが期待される。今後の研究で、さらに詳細な作用機序が明らかになれば、より効果的な治療法の開発につながる可能性がある。
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