研究課題/領域番号 |
21K21027
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
岩本 莉奈 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20907216)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Wnt / Ryk / 骨芽細胞 / 脂肪細胞 / 骨代謝 / 骨髄間質細胞 / Wnt阻害因子 |
研究開始時の研究の概要 |
骨は破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成により恒常的に作り変えられており、この代謝活動を骨代謝と呼ぶ。骨代謝制御因子の一つであるWntシグナルは複数の受容体により調節されており、その中でも申請者の所属研究チームではWnt異端受容体と呼ばれるRykが骨芽細胞分化を促進していることを見出している。そのため、Rykは骨形成を促進する創薬標的として期待されているものの、骨芽細胞分化を促進する際にRykに作用するWntリガンド、Rykの下流シグナル、Wnt-Rykシグナルの阻害機構は未解明である。本研究においてはこれらの学術的な問いを解明し、新規骨量増加薬開発に向けた基盤の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
異端Wnt受容体RykがどのWntリガンド結合を介して骨形成を促進するか全く未解明のままであった。申請者は、骨芽細胞特異的Ryk欠損(Ob-Ryk cKO)マウス及び野生型(WT)マウスの骨を用いてRNA-seqを行った。その結果、Ob-Ryk cKOマウス骨おいてWnt4及びWnt10b発現が増加していたため、骨芽細胞への分化能を有するST2細胞にWnt4及びWnt10bの過剰発現を行ったところ、Ryk機能と一致して骨芽細胞分化を促進した。加えて、Wnt4及びWnt10bの脂肪細胞分化への影響も検討したところ、Wnt4及びWnt10bの過剰発現により脂肪細胞分化が抑制されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本は超高齢化社会を迎えたことで骨粗鬆症などの骨量が低下する疾患の患者数が急増し、これらの疾患を克服することは喫緊の課題であると言える。Wntシグナルは骨量調節に関与することが報告されており、異端Wnt受容体であるRykは骨形成に関与することが示唆されているものの、Rykを介するWntシグナルは、Wntリガンド、受容体、エフェクター因子の多さから、作用機序の全容解明にはほど遠い状況にある。本研究ではRykに作用するWntリガンド及びその下流シグナルを明らかにすることを目的とした結果、RykはWnt4及びWnt10bと結合することで骨形成促進、骨髄脂肪細胞形成抑制を果たしていることが示唆された。
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