研究課題/領域番号 |
21K21036
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山本 徹 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20707335)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス / COVID-19 / SARS-CoV-2 / 味覚障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は新型コロナウイルス感染症(COVID-19) による味覚異常の病態を解明すること、また味覚異常の回復に関する治療法の開発を目指すとともに、COVID-19 に関する知見を蓄積することでCOVID-19 への有効な感染症対策に資することを目指す。 新型コロナウイルスを構成するタンパク質を、舌の味覚を感知する味蕾へ作用させ、味細胞や味覚神経系への影響を調べることで、COVID-19特有の味覚障害発症のメカニズム解明に迫る。
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研究成果の概要 |
新型コロナウイルス感染症は、初期症状や後遺症として味覚や嗅覚の喪失や変化を引き起こすことがあるが、詳細メカニズムは不明だった。本研究では、雄性SDラットを用い、SARS-CoV-2 recombinant proteinが味蕾細胞のアポトーシスと関連サイトカインTNF-α発現を誘導するか検討した。SARS-CoV-2群では対照群に比べ味細胞アポトーシス、TNF-α陽性細胞数が有意に増加した。SARS-CoV-2タンパク質により惹起される感染・炎症応答と免疫細胞動員などの機序により味蕾細胞のアポトーシスが生じることが、COVID-19感染後の味覚障害に関与している可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はCOVID-19 による味覚異常の機序の一端を明らかすること、COVID-19 に関する知見を蓄積することで有効な感染症対策に資することを目指しました。 本研究結果から、SARS-CoV-2タンパク質により惹起される感染・炎症応答と免疫細胞動員などの機序により味蕾細胞のアポトーシス(細胞死)ならびに味蕾構造の退行性変化が生じることが、COVID-19感染後の味覚障害の一因として関与している可能性が考えられました。 将来の新興感染症によるパンデミック発生時における味覚障害へ対応するための基礎的知見を集積できた点で大きな社会的意義を有すると考えられます。
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