研究課題/領域番号 |
21K21042
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
生田目 大介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10910218)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 咬筋痛 / 線維筋痛症 / グリア細胞 / 炎症性サイトカイン / レセルピン / ミノサイクリン |
研究開始時の研究の概要 |
咀嚼筋痛障害は,主症状として筋痛,運動痛,運動障害を示すことが知られており,治療が困難なことが多い。口腔顔面痛は,三叉神経節における炎症性サイトカインであるTNF-αを介したニューロンと三叉神経節内に存在するグリア細胞との相互作用によって調節され,三叉神経節へグリア細胞機能抑制薬のミノサイクリンを投与することで痛みの軽減を認めたことが報告されている。しかしながら,咀嚼筋痛の伝達メカニズム,およびミノサイクリン投与による鎮痛効果や作用経路については不明である。本研究では咬筋痛モデルラットを用いて,咀嚼筋痛の伝達メカニズムを解明し,新規の咀嚼筋痛治療法開発の基盤を形成することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本実験では下降性疼痛抑制系を機能低下させるレセルピンを,5週齢 SD系雄性ラットの咬筋相当部へ皮下注射を行い作製した咬筋痛モデルラットを使用した。第1に咬筋痛による逃避反射閾値の変化を経時的に測定し,レセルピン注入群はナイーブ群と比較し注入後3日目から10日目まで有意な低下を認めた。第2に三叉神経節に発現するグリア細胞より遊離した炎症性サイトカインCXCL2の免疫組織学的解析を行い,レセルピン注入群はナイーブ群と比較し有意な増加を認めた。以上より,レセルピン注入による機械痛覚過敏の発症およびグリア細胞の活性化の増大の可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過去の研究では,顎関節へのCFA注入後,三叉神経節に存在するTNF-α陽性の咬筋投射ニューロンは増加し,咬筋への機械刺激に対する機械的頭部反射閾値は有意に低下したと報告されている。さらに,私の研究室の報告では,口腔顔面痛モデルラットにおいて,三叉神経節に存在するグリア細胞の活性化,およびサイトカイン遊離の増加が認められた。本研究ではレセルピン注入による機械痛覚過敏の発症およびグリア細胞の活性化の増大の可能性が示されたため,咀嚼筋痛の伝達メカニズムの一端が解明されたと考えられる。これは,今後本研究を進めていく上で必要不可欠な報告であり,その解明が与える意義は大きい。
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