研究課題/領域番号 |
21K21043
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 大翔 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (70906338)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脂肪細胞 / CCL19 / 歯周炎 / 脂肪組織 / CCR7 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満の脂肪組織には活性化免疫細胞が浸潤し脂肪組織炎症が惹起され、2型糖尿病の主要因 であるインスリン抵抗性の病態が形成される。一方、慢性炎症性疾患である歯周病は糖尿病の合併症の一つとしてとらえられている。 申請者らは先行研究において、脂肪組織CCL19の過剰発現が脂肪組織炎症の亢進、脂質代謝の減弱、耐糖能低下を引き起こすことを見出した。 本研究では、歯周病および糖尿病の病態に脂肪組織CCL19が及ぼす影響に着目し、脂肪組織CCL19が糖尿病における歯周組織炎症および、歯周炎症下での糖尿病の病態に及ぼす影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
高脂肪食負荷において、脂肪細胞特異的にCCL19を高発現させたCcl19 knock-inマウスでは、野生型マウスに比べ、セメントエナメルジャンクションから歯槽骨頂間の距離および、歯根露出面積が増大した。リコンビナントCCL19で刺激したRAW264.7細胞株では、TNF-αおよびIL-1βの遺伝子発現の増大傾向が見られた。 以上の結果から、肥満状態において、脂肪細胞におけるCCL19の高発現が歯周炎の増悪に関与する可能性が示唆された。また、CCL19はマクロファージに対し炎症促進性に作用する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、肥満状態において、脂肪細胞におけるCCL19の高発現が歯周炎の増悪に関与する可能性が示唆された。また、CCL19はマクロファージに対し炎症促進性に作用する可能性が示された。したがってCCL19が肥満および歯周病の病態を関連づける分子の一つであることが考えられる。 本研究の結果をもとに今後、詳細な機序を見出せれば、近年注目されている肥満における慢性炎症・糖脂質代謝と免疫制御機構との関連性の一端を明らかにしうる。
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