研究課題/領域番号 |
21K21056
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
羽田 多麻木 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80908038)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 3Dプリント義歯 / セルロースナノファイバー / 次世代グリーン材料 / デジタル技術 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,3Dプリンター等のデジタル技術を応用した有床義歯製作方法の開発が進み,短時間で効率よく製作可能な3Dプリント義歯が増加傾向にある.しかし,3Dプリント樹脂は従来の義歯用材料と比較して機械的強度に劣るとの問題があった.そこで,次世代グリーン材料として自然界で豊富に入手可能な低コストかつ高い生体適合性を持つセルロースナノファイバー(CNF)に着目した.本研究では,3Dプリント樹脂に添加するCNF量の探索,複合樹脂の物性評価,精度検証および応力解析を実施し,義歯用材料として最適な3Dプリント樹脂の物性改善を行う.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,義歯用3Dプリント樹脂に環境負荷が少ないCNFを補強材として添加し,軽量で補強効果の高い義歯の製作を目指すための新規材料の開発である.先行研究として,ジルコニアフィラーを添加後,機械的物性評価試験を行い,フィラー添加によって物性が向上することを確認した.本研究では,環境負荷の少ない次世代グリーン材料を先行研究と同様の3Dプリント樹脂に混合する. 従来の義歯破折は床用材料の屈曲疲労による影響が大きく,破折防止のため挿入する補強材の材質,厚さや位置関係に留意する必要があった.一方,本研究では3Dプリンター特有の積層メカニズムを利用してCNFを各プリント層へ均等に分散させることを最終目標とする. まずは3Dプリント樹脂へ混合する最適なCNFの添加率を明らかにするため,先行研究を参考に3Dプリント樹脂にCNFを0.1 wt%ずつ添加した.そのまま混合したところ,CNFが凝集してしまったので,適量の溶媒中にCNFを分散させた溶液を作成した.この溶液をスパチュラを用いて少しずつ3Dプリント樹脂へ混合したが,均質に混合できなかった.そのため,ホモジナイザーを用いて一定時間混合した.混合物中の溶媒はホットプレートを用いて完全に揮発させた.3Dプリンターによる試験片造形の前に,混合物の硬化の程度や物性等を確認するため,テフロン製の鋳型を用いて試験片を造形した. 鋳型の中に混合物を流し入れ,気泡の有無を確認した後,405nm波長の紫外線硬化装置を使用して40分間硬化させた.この作業を1 wt%になるまで継続した.
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