研究課題/領域番号 |
21K21070
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
伊達 悠貴 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 特任研究員 (70914240)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | p53 / Myc / TGFβ / 骨肉腫 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍は、ゲノム・エピゲノム異常と、微小環境における局所因子が相互作用して発症する。典型的なゲノム異常であるがん抑制遺伝子p53の破綻と環境因子が連動して発がんに至る分子機序は、不明である。 私たちは、この機序を解明するモデルとして骨肉腫を選び、その発症の分子基盤が、「p53破綻に伴う、がん遺伝子Mycの過剰誘導」であることを先行研究で示した。本研究においては、p53破綻と環境因子の連動がMyc過剰誘導をもたらす分子機序を明らかにする。 発がんを「ゲノム異常と環境因子の相互作用」によって定義できれば、多くのヒトがんの発症・悪性化過程の理解と、抗がん戦略の構築に寄与することが期待できる。
|
研究実績の概要 |
がん抑制遺伝子p53の遺伝子変異とがん遺伝子Mycの過剰発現は、多くのヒトがんの発症・悪性化に関わるゲノム・エピゲノム異常の代表例である。先に私たちは、両異常を特徴とする骨肉腫の発症機序が、p53破綻に伴うRunx転写因子によるMycの過剰誘導であることを解明した。しかし、p53破綻下において腫瘍微小環境が発がんにもたらす影響は不明である。 一般的な骨肉腫モデルであるOSマウス(Osx-Cre;p53fl/fl)の骨肉腫において、TGFβシグナルのエフェクターであるリン酸化Smad2の核移行が腫瘍細胞内で確認された。TGFβシグナルを無効化したOS;Tgfbr2fl/+マウスでは、OSマウスに比べて延命効果が見られた。また、OSマウスの骨肉腫細胞において、Mycの発現量はTGFβに強く依存した。以上より、骨肉腫発症においてTGFβシグナルはがん遺伝子として働くことが示唆された。 骨髄間質細胞株のST2細胞は、p53削除に伴ってTGFβ依存性にMyc発現量が上昇し、造腫瘍能を獲得する。このMyc誘導を担うエンハンサーとして、ATAC/ChIP-seq解析からMyc下流340kbに位置する「m340」を同定した。m340がMycエンハンサーとして樹立する機序を調べるため、p53KO ST2細胞にTGFβを加えた状態で網羅的クロマチン相互作用解析のHi-ChIPを行った。
|