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小児期の恐怖記憶によるストレスに起因する疼痛下行抑制系経路の可塑的変化

研究課題

研究課題/領域番号 21K21077
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0907:口腔科学およびその関連分野
研究機関日本大学

研究代表者

松村 幸恵  日本大学, 歯学部, 専修医 (00906373)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード中脳水道灰白質 / パッチクランプ / 免疫組織学的解析 / 光遺伝学的手法 / 疼痛下行抑制経路 / 興奮性シナプス後電位
研究開始時の研究の概要

小児歯科診療において,歯科治療時特有の音や治療の際の強制的な治療などの幼少時の苦痛体験により不安や恐怖のストレスが増大し,歯科恐怖症を伴うと,痛みを過敏に感じているような印象を臨床時に抱いた経験がある。しかし,現状では心的ストレスと異常疼痛,特に口腔領域における痛みを結びつける研究は極めて少ない。ストレス下の抑うつ状態では,神経伝達物質系および疼痛抑制系に変化が起き慢性疼痛を生じることが多いとされることから,疼痛下行抑制系を司る中脳水道灰白質腹外側に焦点を当てて,実際の神経活動を検索し,ストレスが疼痛制御に関与する中枢神経回路に及ぼす変調を解明することで,歯科恐怖症の治療開発につなげたい。

研究成果の概要

小児期の強制的な治療などの苦痛体験は,歯科恐怖症の既往歴で多くみられる。中脳水道灰白質(PAG)は疼痛抑制作用の他に不安,恐怖などの情動行動にも寄与していると考えられているが,ストレスとの関連については行動レベルでの報告はあるものの,神経メカニズムに関する知見は極めて乏しい。そこでラットのPAGに逆行性トレーサーであるコレラトキシンB(CTB)を注入し,光遺伝学的手法を用いて,PAGに投射するストレス関連脳領域の同定,神経活動の指標としてc-Fos陽性細胞数の定量的解析を行った。その結果,CTB陽性細胞は視床下部腹側核と扁桃体中心核のほか,島皮質など顎顔面領域の情報が入力する部位に認められた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

小児歯科診療において,歯科治療時の音や幼少時の治療の際の強制的な治療などの苦痛体験により不安や恐怖のストレスが増大すると,痛みを過敏に感じるといわれている。しかし,現状では心的ストレスと口腔領域における痛みを結びつける研究は極めて少ない。ストレス下では,神経伝達物質系および疼痛抑制系に変化が起き慢性疼痛を生じることが多いとされることから,疼痛下行抑制系を司るPAGに焦点を当て,実験を行った。この成果は,不安・恐怖ストレスが起因となって歯科恐怖症に苦しんでいる患者に対する新たな治療法の開発につながるものであり,生命の入り口である口腔内の健康,QOLの向上を通して社会に貢献できると考える。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Neural Subtype-dependent Cholinergic Modulation of Neural Activities by Activation of Muscarinic 2 Receptors and G Protein-activated Inwardly Rectifying Potassium Channel in Rat Periaqueductal Gray Neurons2022

    • 著者名/発表者名
      Sugawara Shiori、Nakaya Yuka、Matsumura Sachie、Hirose Kensuke、Saito Yasuhiko、Kaneko Ryosuke、Kobayashi Masayuki
    • 雑誌名

      Neuroscience

      巻: 506 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1016/j.neuroscience.2022.10.012

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-01-30  

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