研究課題/領域番号 |
21K21088
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
梅原 華子 広島大学, 病院(歯), 助教 (60911253)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨再生 / 歯科用インプラント / GBR / チタンメンブレン / リン酸カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,生体不活性材料であるチタン薄膜上に,アルカリ処理による生体活性付与し,生体活性チタン薄膜を作成する.さらにその生体活性チタン薄膜表面に低結晶性Ca-P構造体を形成した,骨誘導および骨伝導促進機能を持つバリアメンブレンの新規開発を行う. 本素材はチタン表面に超親水性網目状酸化膜層を,さらに上層に低結晶性Ca-P析出層を構築している.骨欠損部において,表層のCaイオンが早期に溶出することで骨誘導促進による骨形成に適した骨代謝機転とし,イオン溶出後に露出する生体活性作用を持つ酸化膜上での骨伝導促進が生じることで,骨粗鬆症など骨再生に不利な場合において,確実な骨再生を達成することを狙っている.
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研究成果の概要 |
低結晶性Ca-Pメンブレンが低Ca環境下においてはCaイオンを徐放し,高Ca環境下ではCaのリザーバーとなること,また細胞増殖において, 生体活性メンブレンと同等の効果が得られることを明らかにした。またSDラット生体内における骨再生優位性の検討を行ったところ,骨再生量に有意な差を認めなかった。骨欠損部中央における骨新生の有無を比較すると,未処理のメンブレンに比べ骨新生が認められる数が多かった。低結晶性Ca-Pは,低Ca環境下で血清中への溶出が早いことが利点と考えられるが,健常モデルの動物においては,Caのリザーバーとして働き,有意差が得られなかったと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低結晶性Ca-Pメンブレンが低Ca環境下においてはCaイオンを徐放し,高Ca環境下ではCaのリザーバーとなること,また骨芽細胞様細胞の細胞増殖を阻害しないことを明らかにした.健常モデルにおいては骨再生への優位性は認めなかったが,低Ca環境下においては,治癒初期の一時的Ca濃度の上昇により骨形成能が改善される見込みがあると考える。従って,低Ca状態や骨密度が低下した状況に用いる生体材料としての可能性があると考えられる.
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