研究課題/領域番号 |
21K21103
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡田 宏基 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (20908545)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 統合失調症 / 自動車運転 / 脳活動 / 自動車運転評価/支援 / fNIRS / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症は、現行の道路交通法では免許の拒否又は保留の事由となる病気とされている。統合失調症者の社会参加が不当に妨げられないよう自動車運転能力を客観的に評価することは急務であるが、統合失調症者を含む精神障がい者の運転能力を客観的に評価する手法は確立されていない。本研究では、fNIRSを用いて、統合失調症者の脳機能が客観的に運転能力を評価する手法になりえることを示し、脳機能に着目した運転支援システムを開発する。本研究の結果、統合失調症以外の精神疾患の自動車運転能力の評価手法への応用が期待されるほか、エビデンスに基づいた統合失調症者の自動車運転支援体制の構築の一助になると考える。
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研究成果の概要 |
本研究では、治療中の安定した統合失調症者と健常者の運転スキルと脳活動を、機能的近赤外線分光法と実車環境に近い運転シミュレーターを用いて比較した。20人の統合失調症者と20人の健常者が、速度の異なるブレーキタスク、カーブ運転タスクを実施した。結果、これらのタスクのパフォーマンスに有意な差は見られなかった。一方、脳活動について、100km走行時の急ブレーキタスクで、左右の前頭前野の脳活動に有意な差が観察された。50kmブレーキタスク、カーブ運転タスクでは有意差は認められなかった。さらに、40名の統合失調症者の脳活動と運転技能の相関を調査したところ、脳活動はブレーキ反応との相関を示していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症は、道路交通法により、運転が制限される可能性がある疾患の一つとされているが、統合失調症者が事故を起こしやすいという医学的根拠は乏しいままである。急ブレーキタスクやハンドル操作など日常の運転で直面する可能性のある課題への対応能力が示されたことや、ブレーキ反応という事故を避けるための最も重要な運転技能を客観的に脳活動で評価可能であることが示されたことは、精神障がい者の自動車運転に関するより良い法的・社会的枠組みの構築の一助になることが期待される。
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