研究課題/領域番号 |
21K21109
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
五十嵐 尚子 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (40910138)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 独居がん患者 / 終末期 / 独居がん / アンメットニーズ / 半構造化インタビュー / 主題分析 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では、独居世帯の増加・高齢化に伴い、独居がん患者が増加している。しかし、診断から看取りまでどのような医療やケアが必要か明らかになっていない。そこで申請者は、医師、看護師、MSW、ケアマネージャーに対し独居がん患者の特徴的な問題のインタビュー調査を実施したが、療養場所別の分析や対象者に介護員がいない点などの限界が生じた。本研究は、療養場所によって独居がんの抱えている問題が異なるのか、介護員はどのような独居がんに特徴的な問題をとらえているのか明らかにする。わが国の独居がん患者の実態を明らかにし、独居がん患者へのケア向上に寄与する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的である、医療者からみた独居がん患者の医療上の問題を療養場所別に明らかにするためにインタビューデータの分析を実施した。分析方法は、医療者を対象とした半構造化インタビューデータの内容分析を行った。また、分析はインタビュー対象者の勤務先で2群(病院/地域)に分けて比較を行った。分析を通して、病院で療養する独居がん患者の医療上の問題/地域で療養する独居がん患者の医療上の問題をそれぞれ同定することが出来た。 インタビュー対象者は合計で54名だった。病院で勤務している対象者は39名、病院外で勤務している(在宅診療所、訪問看護ステーション、ケアワーカー)対象者は15名だった。対象者の職種は医師・看護師・メディカルソーシャルワーカー、ケアワーカー、ケアマネージャーだった。 病院での独居がん患者の医療上の問題は、地域で暮らす独居がん患者よりも治療に関する問題が多かった。具体的には、治療の説明の理解、キーパーソンや家族に対する治療の説明の困難、通院中の医療的セルフケアが不十分などが挙げられた。一方、地域で暮らす独居がん患者の医療上の問題は、がんと診断する受診の遅さ、在宅で独居で過ごすことの困難感や療養の場所の選択が少ないことが問題として挙げられた。どちら群でも、精神的サポート不足や意思決定の困難さを多くの対象者が問題として挙げていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により、介護職員へのインタビュー調査が困難な状況が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍により、介護士へのインタビュー調査が困難な状況が続いているため、新たなインタビュー調査は状況によっては実施できないことも視野に入れて研究をすすめていく。 すでに終了しているインタビュー調査のデータの分析を主に進め、療養場所別の独居がん患者の医療上の問題について論文化していく。
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