研究課題/領域番号 |
21K21115
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
有馬 弘晃 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30909122)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 出生性比 / 向精神物質 / ルワンダ / 妊婦 / テロメア |
研究開始時の研究の概要 |
『なぜ妊婦のストレスが男児の出生割合を低下させるのか』という謎を明らかにするため、向精神物質が蔓延しているルワンダで疫学的調査を実施する。妊婦ストレスの強度をテロメアの長さで数値化し、また炎症性サイトカイン濃度を測定することで、世界で初めて2つのバイオマーカーから出生性比が変わる現象を科学的に検証していく。本研究の成果は、妊婦ストレスが男児出生割合の低下を招く機序の解明だけでなく、流産の予防やリスク管理としても有用な知見を与え、世界の周産期医療に大きく貢献する。
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研究実績の概要 |
ルワンダのミビリジ地区で収集した出生データから、当該地域における出生性比が低下している(生まれてくる子どもの性比が女児に偏っている)可能性があることがわかっている。先行研究では、妊婦が心理的ストレスを抱えていると出生性比が低下する事象が多数報告されている。またPM2.5などの物質暴露量が増えることによっても妊婦体内での炎症反応が促進され、ごく初期の男児流産率が上がり、結果として出生性比が低下すると考えられている。一方で、妊婦の向精神物質(タバコ、アルコール、薬物など)摂取が早産や低体重児出生のリスクを高めることが明らかになってきたが、出生性比との関連性についてはタバコのみでしか議論されてこなかった。 ルワンダの若年層で向精神物質の蔓延が社会的問題となっていることから、本研究ではミビリジ地区の妊婦における向精神物質の摂取状況を明らかにし、それらの摂取が出生性比へもたらす影響を探っている。 これまでにミビリジ地区の妊婦が向精神物質、特にアルコールと薬物を妊娠前、妊娠中に摂取している実態を統計学的にまとめている。また、妊娠前に薬物摂取経験のある妊婦や、妊娠中に心理的ストレスとして鬱症状があった妊婦で出生性比が低下していることがわかってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではミビリジ地区の妊婦における向精神物質の摂取状況を明らかにするとともに、向精神物質の摂取による血中サイトカインレベルの変動や、様々なストレス因子がもたらすテロメア長の短縮レベルを評価することで、出生性比の低下に潜む母体の生理学的変化の特性を探ろうとしている。このための調査が遅れているため、やや遅れている、とする。
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今後の研究の推進方策 |
今後はルワンダ大学の研究協力者との連携を強化し、農村部のミビリジ地区及び都市部のキガリで妊婦を対象とした調査を実施する予定である。
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