研究課題/領域番号 |
21K21126
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 星城大学 |
研究代表者 |
萬屋 京典 星城大学, リハビリテーション学部, 講師 (60908317)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マルチモーダル非薬物的介入 / 施設入所高齢者 / 認知機能 / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
介護老人保健施設等に入所している認知症高齢者は特に認知機能が低下しやすい.認知機能の中でも優先的に介入が必要なのは全般的認知機能,見当識,記憶,構成能力である.これらの領域に対する介入方法として,近年では異なる複数の非薬物的介入を組み合わせたマルチモーダル非薬物的介入の効果が注目されているが,有効な実施方法やその効果は明確になっていない.我々が先行して実施した調査では,運動,認知訓練,日常生活動作訓練の組み合わせが全般的認知機能,見当識,記憶,構成能力に対して維持及び改善効果をもたらす可能性を報告した.本研究では,その結果に基づいて作成したマルチモーダル非薬物的介入の有効性を検証する.
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研究成果の概要 |
施設入所認知症高齢者の認知機能(全般的認知機能、見当識、記憶、構成能力)維持・改善を目指し、申請者らが作成したマルチモーダル非薬物的介入プログラム(運動、認知課題、日常生活活動訓練を組み合わせた介入)が有効であるかについて、シングルケースデザインを用いて予備的に検証し、その後、多施設にて2群での無作為化比較試験を実施して検証した。シングルケースデザインでは、1名の対象者は認知機能改善を認め、2名は維持となり、現実的な実施が可能である事を確認した。無作為化比較試験では、介入後のフォローアップにて構成能力の持続効果の可能性が示唆された。また、BPSDの改善と持続効果の可能性も確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表者らが作成したマルチモーダル非薬物的介入は,これまでの介入と比較してより簡易的に実施でき,全般的認知機能,見当識,記憶,構成能力の維持・改善にもより効率的かつ効果的に働きかける可能性がある.マルチモーダル非薬物的介入の実効性が明らかになることで,施設入所認知症高齢者の認知機能維持・改善に対して,効果的な介入戦略につながる新しい知見をもたらすことが期待される. このことは,施設入所認知症高齢者のADL低下やBPSDの誘発,QOL低下,認知症高齢者の家族の介護負担,更には医療費増大への対策にも繋がることが期待される.
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