研究課題/領域番号 |
21K21136
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
愼 重虎 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00911934)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | COVID-19 / 新型コロナウイルス感染症 / DPC / NDB / 大規模データベース / リアルワールドデータ / Withコロナ / 二次医療圏 / 急性期病院 / 地域医療 / レセプト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、DPC、レセプトデータを使用し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延が医療に与える影響を多角的に分析するものである。DPCデータからは、COVID-19が急性心筋梗塞を含む急性冠症候群、脳卒中などの急性期医療に与える影響、病院収入に与える影響を迅速に分析し、レセプトデータからは高齢者の慢性期医療への影響を糖尿病、認知症、歯周疾患を中心に分析する。さらに、その結果と公的統計データを結合・分析し、近年注目されている健康の社会的決定要因と、COVID-19による影響との関連を明らかにする。これらは、将来的な持続可能なCOVID-19対策の立案に資するものである。
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研究成果の概要 |
多施設DPCデータと厚生労働省のレセプト情報等情報データベース(NDB)を利用し、COVID-19の医療システムへの短期的、中期的な影響について分析を行った。その結果、短期的には病院の診療報酬収入、予定手術、急性冠症候群、脳卒中、肺炎、などの入院症例の減少が示された。中期的には、緊急PCIの院内死亡割合、非COVID-19患者の集中治療室でのリスク調整死亡率のCOVID-19流行による有意な変化は見られなかった。さらに、二次医療圏単位での影響の分析の結果、二次医療圏の人口密度と、各感染拡大期の診療提供の変化の相関関係と各感染拡大期の変化の傾向の違いの存在が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「Withコロナ」時代に、地域の特性に合わせて安定した医療サービスの提供を行うための精度、政策の立案のためには、現状をタイムリーにモニタリング、評価、分析する必要がある。本研究でDPC、NDBなどの大規模データは、定期的に収集されるリアルワールドデータであり、不確実性の高いCOVID-19の医療システムへの影響について、迅速に分析できることを示した。しかし、NDBは利用までの手続きに数か月以上の時間を要し、今後、さらなる活用のためにはデータ利用までの期間を短縮する必要性が示唆された。
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