研究課題/領域番号 |
21K21139
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 さとみ 九州大学, 医学研究院, 助教 (50909299)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | COVID-19 / 抑うつ / 感染予防行動 / Quality of life / 肝移植 / 腎移植 / Depression / Prevention behaviors / Quality of Life / Liver transplantation / Kidney transplantation / Transplantation / Fear of COVID-19 / 臓器移植 / 新型コロナウイルス感染症 / 感染予防 / 認識 |
研究開始時の研究の概要 |
臓器移植後患者は、免疫抑制剤を生涯内服するため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染ハイリスク群かつ重症化予備群である。 本研究は、COVID-19の感染予防行動と認識に関する尺度日本語版を作成し、信頼性と妥当性を検証したうえで、腎臓と肝臓移植後患者のCOVID-19への感染予防行動と認識、抑うつレベルを明らかにする。
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研究成果の概要 |
肝・腎移植後患者204名を対象に,COVID-19流行禍の感染予防行動と認識, QOL,抑うつを明らかにし,抑うつとの関連を探索した。感染予防行動と認識は先行研究を参考に自記式質問紙を作成し,抑うつはPHQ-9,QOLはSF-8で評価した。 患者の約30%は抑うつがあり,中等度以上は8.3%であった。抑うつの患者は主観的精神的QOLが低く,糖尿病,COVID-19に関する情報が十分にないこと,病院で感染することへの過度な恐怖は抑うつの関連要因であった。移植外来を情報源として利用している者は2.5%であり,移植後患者のメンタルヘルスの維持のために医療者からの正しい情報提供の必要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究より,COVID-19パンデミック中の腎移植・肝移植後患者において,抑うつは主観的QOLの低下に関連しており,糖尿病を併存していること,COVID-19に関する十分な情報がないこと,病院で感染することへの過度な恐怖が抑うつの独立した関連要因であることが示された。移植後患者は,免疫抑制剤を生涯内服することから感染ハイリスク群であり, 本研究のでの成果は,今後新興感染症が発生した場合においても,移植後患者のメンタルヘルスの危機に対応するために必要な看護支援への示唆を与えることができると考える。
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