研究課題/領域番号 |
21K21144
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
兒玉 善明 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10909708)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 刑事精神鑑定 / 看護管理者 / 看護管理上の困難 / 病棟看護管理者 / 困難 / 司法精神看護 |
研究開始時の研究の概要 |
刑事精神鑑定入院は、責任能力の鑑定という過去に焦点化された行為がなされることで、看護師は通常の精神科看護とは異なる治療的でない関与を求められている。そして対象者に関わる看護師への看護管理者による支援が重要な課題である。しかし、刑事精神鑑定入院という根拠法や日常的な精神科臨床とは異なる看護状況では、看護管理者の管理上の体験が異なり、今まで培った知識や経験では十分に対応できず、看護管理上の困難が生じると考える。本研究では刑事精神鑑定入院を受け入れた経験のある病棟看護管理者の看護管理上の困難を明らかにすることで看護管理者への支援を検討し、刑事精神鑑定に関わる看護師への支援へと結びつけたいと考える。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は刑事精神鑑定入院を受け入れる病棟の看護管理者の看護管理上の困難を明らかにすることである。刑事精神鑑定入院を受け入れる病棟の看護管理者(看護師長相当職)の経験を有する者7名に対して,看護管理者としての能力や役割を発揮できずに「困ったこと」「負担感」等について1人1回のインタビューを実施した。分析の結果,【看護師の関わりを保証する根拠や環境の不足】や【看護管理者としての情緒的な動揺】などの5カテゴリ,15サブカテゴリが抽出された。看護役割の明確化や指針の整備だけでなく,看護師への教育プログラムの作成や,看護管理者に対する情緒的支援,病棟看護管理への支援の必要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
刑事精神鑑定は医療観察法の成立以前より精神科病院・病棟で鑑定留置の対象者を受け入れ実施されていたが,関わる看護師の体験や役割については研究がされていなかった。刑事精神鑑定の対象者を受け入れる病棟においては安全管理・危機管理が重要となり看護管理者が果たす役割も大きい。本研究においてはガイドラインの作成等による看護師の役割の明確化だけでなく,看護管理者個人へ焦点を当てた情緒的な支援だけでなく,受け入れている病棟に対して,病院全体での組織的な病棟看護管理に関する支援を行う必要性が示唆された。
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