研究課題/領域番号 |
21K21152
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
松尾 友仁 愛知医科大学, 医学部, 助教 (00908824)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | グルクロン酸抱合体 / 加水分解 / LC-MS/MS / 尿中薬毒物 / β-glucuronidase / ISOLUTE HYDRO DME+ / B-One / IMCSzyme RT / 遺伝子組換え β-グルクロニダーゼ / 室温加水分解 |
研究開始時の研究の概要 |
法医解剖試料では腐敗などの影響で測定試料が劣化している場合が多く、LC-MS/MS(液体クロマトグラフタンデム質量分析装置)へ導入する際に試料の前処理が非常に重要である。尿中薬毒物は、未変化体とグルクロン酸抱合体、硫酸抱合体等の代謝物が存在しているため、加水分解による試料調整が必要となる。そこで、本研究では尿中夾雑成分除去カラムと室温で加水分解可能な遺伝子組換えβ-グルクロニダーゼを用いた迅速的かつ効率的な前処理法を開発し、LC-MS/MSによる法医解剖試料での迅速で正確な尿中薬毒物分析と死因究明に大きく貢献することを目的としている。
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研究成果の概要 |
遺伝子組換えβ-グルクロニダーゼを用いることで、5種類の薬毒物(11-nor-9-carboxy-tetrahydrocannabinol (THC-COOH), oxazepam, lorazepam, temazepam, amitriptyline)のグルクロン酸抱合体を室温3分の短時間で加水分解することができた。加えて、尿中夾雑成分除去カラム(ISOLUTE HYDRO DME+,Biotage)上で加水分解することができるため、前処理過程も短縮することができた。この前処理法を用いたLC-MS/MS分析法は、バリデーションでの妥当性も良好であり、法医解剖試料にも適用することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
摂取された薬毒物は内因性物質との抱合体として尿中に排泄され、遊離体や未変化体が微量にしか存在しないため、目的の薬毒物が検出できない場合がある。そのため、抱合体を加水分解し、目的の薬毒物の遊離体や未変化体を分析する必要がある。本研究で開発した前処理法では、前処理カラム上で直接、加水分解が可能であり、反応も室温3分で終わるため、従来の方法に比べてより簡便かつ効率的に尿中薬毒物の分析が可能である。 従って、法医解剖試料での迅速で正確な尿中薬毒物の検出と定量の精度向上を目指すことができる点で意義深く、今後、法医実務においても非常に有用となることが期待される。
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